「さよならノワール」の視聴率は、一向に上がりません。しかし、本当に良く出来ております。特に、先日の回は出色でした。
岡山天音扮する鴨居の、何とも言えない得体のしれなさの理由がわかりました。彼は、中学生の頃、妹を失っておりました。誘拐され、監禁されていたのです。そして、二十年の月日が経ち、そっくりの事件が起きたのです。
犯人は、当時は未成年でした。だから鴨居は、警察官になることで、犯人の情報を得て、妹の仇を取ろうとしていたのです。
初回で、鴨居は、ピストルズの「アナーキー イン ザUK」を聴いており、今回はピンク・フロイドの「タイム」を聴いておりました。警察官らしからぬ趣味であります。しかし、そういう細かなところに拘るのが、井上由美子です。「タイム」の、長いイントロは、鴨居の復讐に費やした時間を象徴のようでした。
井上由美子が巧いなあと思うのは、今回の一話だけで、鴨居の闇の理由をきっちり描ききるところで、無駄にエピソードを引っ張りません。
それでいて、小池栄子扮する黒木と、北香那扮する白石のバディの成長も、回を追うごとにきちんと描いており、ドラマの起承転結が、一話ずつと、全話を通してもしっかりしているのです。
小池栄子は、いつもと違い、感情を抑え、我を殺しているようにさえ見えます。元マル暴ですから、もっとガサツでも良いのですが、あえて無表情に徹しており、やらかすタイプの、北香那とのコントラストも抜群です。
いよいよ、ドラマの縦糸になっていた、渡部篤郎扮する、失踪していた上司、山崎も現れるようです。
つくづく、この視聴率は勿体ないと思います。