最近、おくやみのブログばかり書いておりましたが、昨日は、岸惠子さんの訃報が発表されました。


掛け値なしの、大女優です。何せ、「君の名は」の初代真知子です。相手役が、中井貴一のお父様の佐田啓二ですから、そのキャリアの長さがわかります。


私が初めて岸惠子さんを知ったのは、ショーケンこと萩原健一との映画、「約束」でした。


ショーケンの役は、当初中山仁だったのですが、中山さんが降板したため、まともな演技はほとんど経験のない、ショーケンに変更になったのですが、この作品でショーケンが絶賛されたのですから、世の中はわからない。


この「約束」と同じ面子(萩原健一、岸惠子、三國連太郎)で制作されたのが、「雨のアムステルダム」という映画です。


ほら、「深夜食堂」で、めしやの外の風景が、たまに流れますが、そばのスナックとおぼしき店の看板が、「雨のアムステルダム」です。まあ、どうでも良いことですが。


この映画を、私はリアルタイムで見ておりますが、正直良くわからない作品でした。ただ、その後、市川崑が監督した、横溝正史原作の映画のなかでも、傑作と名高い、「悪魔の手毬唄」に岸惠子さんは出演しております。


この映画では、金田一耕助役の石坂浩二は勿論ですが、岸惠子と若山富三郎が絶賛されました。映画を見た方には、おわかりでしょう。


後年は、山田太一さんのドラマにも数多く出演されましたが、私には、「相棒」で、水谷豊とまさにがっぷり四つに組んだ傑作、「密愛」です。


何せ、水谷豊とゲストの岸惠子、国広富之以外、ほとんど誰も出ない異色作なのですが、脚本が、あの!古沢良太です。岸惠子は、水谷豊扮する杉下右京の東大時代の、フランス文学の教授役で、とある山荘での男性の死亡事件について、ふたりだけの芝居がほとんどを占めるのです。


そこには、右京の相棒はおろか、捜査一課の面々すら出ないのです。私など、何回見たかわかりません。そして、私のなかで、脚本家古沢良太という名前が、決定的になった作品です。


享年93、死因は老衰ですから、大往生なのですが、なぜか岸惠子さんのイメージは、私のなかではほとんど変わっていないのです。いつも、綺麗なままでした。


合掌。


※ちなみに「君の名は」は、映画「哀愁」のいただきです。「哀愁」の原題である、ウォータールーブリッジを数寄屋橋に置き換えたものです。勿論、まんまではありません。


「哀愁」のヒロインは、あの!ビビアン・リーなのですから、そりゃ岸惠子も大したものです。