「魯山人のかまど」は、中江裕司が脚本、監督を担当しているだけあって、映像の構図がぴたっと決まっております。まるで、映画のようでした。
何より、風景も料理も、とにかく美しい。伊武雅刀扮する、政界の大物を怒らせ、残った料理を再度作り直したものまで、見事でした。
ネットニュースで読みましたが、当初魯山人役は小林薫だったそうで、それが理由は不明ですが降板し、藤竜也になったとのことでした。
わたくし、藤竜也で良かったと思います。
と、いうのも、小林薫は、確かに今では日本を代表する名優です。けれど、彼には、「深夜食堂」のマスターという、当たり役があります。
魯山人を演じるならば、まさか顔に傷をつけて、作務衣を着ることはないでしょうが、どこかで新宿の裏っかわの、何でもこしらえるマスターが、頭をよぎってしまいます。
だって、あの役は、今や小林薫にしか出来ないと思います。渥美清が、何を演じていても、どうしても寅さんが浮かんでしまうようなものです。
勿論、小林薫ならば、マスターとはまるで別人の、彼ならではの魯山人を演じたことでしょう。けれど、藤竜也の、枯れた魯山人は絶品です。結果オーライだと思います。