「ちるらん」にも出てまいりましたが、幕末の3大人斬りとして、よくドラマや映画に出てくるのが、岡田以蔵と田中新兵衛です。これに中村半次郎を加えて、3人です。


「ちるらん」では、岡田以蔵を中島健人、田中新兵衛を安藤政信が演じました。安藤政信はともかく、中島健人が以蔵ですか。


岡田以蔵は、土佐のなかでも、最下級の出自で、武市半平太に暗殺者として利用されます。田中新兵衛は、そこまで多くはないですが、今まで様々な役者が演じてまいりました。


私も数多くの以蔵と新兵衛を見てまいりましたが、なんといっても、「勝海舟」です。今から半世紀以上前で、もはやビデオすらほとんど残っていないようですが、この時のふたりは凄かった。


岡田以蔵は、萩原健一、田中新兵衛は、渡瀬恒彦です。今でも忘れません。私のなかでの、以蔵と新兵衛のベストです。


以蔵が捕らえられ、松方弘樹扮する勝海舟は、なんとか助けようといたします。役人たちに、自分のところの門人だと説明する海舟に、以蔵は、こんな人は知らない、自分は無宿、鉄三だと言いはります。


役人が、この方は幕臣、勝麟太郎様でる、と以蔵に告げると、以蔵はこう言い放ちます。


「幕臣が、わしの世話するかよ」と。以蔵は、恩人である勝海舟に、何らかの罪が及ばないように、嘘をついたのですが、その時のショーケンの表情がたまりませんでした。


渡瀬恒彦が田中新兵衛を演じたのは、私のうろ覚えですが、兄の渡哲也が、病気で勝海舟を降板したため、お詫びの意味も込めて、一話だけゲスト出演したと記憶しております。


この時、田中新兵衛の人斬りのシーンは、確かありません。以蔵か、当時の奥様だった、大原麗子扮するお久かどちらかと対峙する場面があり、豆を食べておりました。


それだけなのですが、当時の渡瀬さんといえば、東映でバリバリのヤクザ映画で、鉄砲玉などを演じていたころでしたから、そこにいるだけで迫力が違うのです。まだ中学生の私は、ぞくぞくしながら見ていたことを、今も覚えております。


かつて、私は、岡田以蔵ならば、長瀬智也しかいないと思っておりましたが、TBSの正月時代劇か何かで、長瀬さんは以蔵を演じておりました。


それを見る機会はありませんでしたが、そういうタイプの役者に演じてほしいものです。


※「勝海舟」では、当時まだ24歳のショーケンを、クレジットのトメに何度かいたしました。NHKの大河ドラマで、です。