今年も、毎年恒例の、私的ドラマ大賞を、相変わらずの独断と偏見で選びました。クレームは一切受け付けませんので、そのつもりでお読みください。
助演女優賞 加賀まりこ
「しあわせは食べて寝て待て」
トップ女優が歳を重ね、脇にまわりましたが、今までのキャリアの集大成のような、見事な枯れぶりでした。
今年の助演女優は、加賀まりこの独走でしたが、最後の最後に、「ひらやすみ」の森七菜が猛然と追い上げてまいりました。あの森七菜の、だるだるの佇まいは、素なのか演技なのかわからないほどでした。それに「まぐだら屋のマリア」の岩下志麻です。これが素晴らしかった。他は、「べらぼう」の水野美紀、「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」の秋元才加が印象に残りました。
助演男優賞 三上博史
「東京サラダボウル」
出番は少ないのですが、一瞬で全てをさらいました。ドラマの空気すら変えてしまったのです。存在感とは、こういうことを言うのでしょう。いま、再放送をしているのて、ぜひご覧ください。
他には、「幸せは食べて寝て待て」の宮沢氷魚、「ザ、ロイヤルファミリー」の佐藤浩市、「ちょっとだけエスパー」の岡田将生、「べらぼう」ほか、出ずっぱりの安田顕です。
主演女優賞 桜井ユキ
「幸せは食べて寝て待て」
桜井ユキが主演と聞いた時は、少々意外でしたが、この難しい役を、淡々と、しかし見事に演じきりました。先日まで、WOWOWの「シャドウワーク」が放送されておりますが、ここでも多部未華子の次にクレジットされております。
他には、「続、続、最後から二番目の恋」の小泉今日子、「しあわせな結婚」の松たか子、「東京サラダボウル」の奈緒、「まぐだら屋のマリア」の尾野真千子です。
主演男優賞 松坂桃李
「御上先生」
学園ものとしては、かなり異例のお話でしたが、熱血教師とは真逆の、文科省から出向してきたキャリア官僚役は、彼以外には考えられないほどでした。
再来年の大河ドラマの主演も、いささか遅かったと思えるほどです。
他には、「続、続、最後から二番目の恋」の中井貴一、「19番目のカルテ」の松本潤、「ザ、ロイヤルファミリー」の妻夫木聡、「べらぼう」の横浜流星です。奇しくも全員、大河ドラマの主演経験者と主演を予定されている方でした。
作品賞 「しあわせは食べて寝て待て」
膠原病にかかり、仕事も収入も失い、マンションから月5万の団地に引っ越したさとこが、薬膳を食べることで、少しずつささやかなしあわせを見出していくというお話ですが、ほのぼのとしているだけでなく、病気の辛さや、周囲の悪意のない刃など、桑原亮子の脚本が抜群でした。
桜井ユキ、宮沢氷魚、加賀まりこの三人のバランスも実に良かったし、何より飯島奈美さんの料理が、深夜にはたまりません。大根おろしで食べる野菜炒めなど、何度作ったかわかりません。
他には、
「東京サラダボウル」
「御上先生」
「続、続、最後から二番目の恋」
「べらぼう」
「まぐだら屋のマリア」
「緊急取調室」
「ひらやすみ」
「ちょっとだけエスパー」
「ザ、ロイヤルファミリー」
昨年同様、NHKが好調で、日曜劇場以外のTBSのドラマが、私とはすっかり合わなくなってまいりました。特に金曜10時は、「イグナイト」、「DOPE」、「フェイクマミー」と、どんどん私の好みと違う報告に向っております。
また、10月スタートのドラマに良作が多く、土壇場でかなり入れ替わりがありました。
個人的には、あまり良くないことが、今年は色々ありましたが、来年は、私にも、皆さんにとっても、良い歳であることを祈ります。そして、来年も素晴らしいドラマに出会えることを。