「べらぼう」が面白いことは、何度も書きましたが、森下佳子、ここまで非情になれますか。


渡辺謙扮する田沼意次は、ついに老中の座を追われます。後ろ盾だった将軍、徳川家治が亡くなったためですが、自分の周りにいたシンパたちも、一斉に意次を遠ざけます。


家治も、亡くなる前に、生田斗真扮する一橋治済に、まつりごとの根幹を説きますが、治済は、もはや上様は、正気ではないと取り合いません。これから、どういう政治になるかが、よくわかります。時代が動いたのです。


そこまでは、歴史を知っていれば予想出来たのですが、森下佳子の脚本は、さらに畳み掛けます。小さな死と表現されましたが、これには驚きました。しかも、その突然の死の遠い原因は、横浜流星扮する蔦屋なのです。  


こういうストーリーは、森下佳子は本当に巧い。そのキャラクターは、創作なので、どうにも出来ますが、ここまでやりますか。


おそらく来週、もう一人亡くなるでしょう。


※かつて、同じ森下佳子さんの脚本による「白夜行」において、奥貫薫扮する銀行員の奈美江は、裏社会からそそのかされて銀行のお金を横領しますが、自分が始末されると思い、裏社会から逃亡します。その手助けをしたのが、山田孝之扮する亮司なのですが、彼女の居場所を裏社会に売ったのも亮司なのです。


ようやく逃げ切ったと思った奈美江の部屋に、的場浩司扮する、裏社会の人間の、「ガスの検診でーす」という声が響いたとき、ぞっとしたものです。その声だけで、彼女にこれから何が起きるかわかるのです。


「義母と娘のブルース」のようなコメディも面白いのですが、情の欠片もないような描写も、実に巧いと思います、