長くテレビを見ていると、いわゆる放送事故に遭遇することがあります。ただ、私が今も忘れられないのは、ふたつだけです。
ひとつは、あまりに有名ですが、「8時だよ、全員集合」です。生放送で、しかも客入れをして、毎週放送するというのは、奇跡的なのですが、オープニングで電源が落ちて、会場が真っ暗になるというのは、前代未聞でした。
この時、一番冷静に見えたのは、実は加藤茶で、いかりや長介に向かって、「こういう場合、プロデューサーは飛ばされるんですかねえ?」と尋ねて、長さんが、「お前はそんなこと、考えなくていい!」と、怒鳴ったところは、業界の方々には、どんなギャグより面白かったと、当時言われたものです。
もうひとつは、とあるワイドショーです。
この時、半分寝ぼけて見ていたのですが、そのなかで、ある主演俳優が、ドラマを降板したことを伝えておりました。その時、コメントを求められた評論家が、いきなりその方の、公表していない極めてプライベートなことを話し始めたのです。
私も見ていて、「へっ?」と一瞬で目が覚めたのですが、こちらも何せ生放送です。一番忘れられないのは、司会のアナウンサーの表情で、明らかに固まっており、言葉が出てこないのです。目も泳いでおりました。
これは、完全にアウトだろうと思いましたが、事実それ以降、その評論家は、そのワイドショーを降板し、他の番組でも私が知る限り、全く見なくなりました。
いま、放送事故という言葉は、結構普通に使われておりますが、本来はそのくらい強烈なものなのです。