たまたま、本当にたまたまBSの番宣スポットを見なければ、全く知りませんでした。
BS-NHKの、「アナザーストーリー」です。よりによって、NHKで「傷だらけの天使」を特集するのです。しかも、インタビューのメインゲストは水谷豊です。
この、未だに語り継がれる伝説のドラマが、いかにして産まれたかを特集したのですが、とても良く出来ておりました。
私は、リアルタイムで見ておりますが、その時はまだ中学生でした。水谷豊が語っておりましたが、親が寝てから子供がこっそり見るか、子供が寝てから、親がこっそり見るか、どちらかだったというのは、実に的を得ております。間違っても親子でみられる代物ではありませんでした。
だって、初回から、真屋順子がおっぱいを丸出しにするのです。しかも、彼女の小さな子供が、なんと!坂上忍だったのです。
何せ、初回の監督が深作欣二だったのです。萩原健一は、「仁義なき戦い」に出るのを熱望していたと知られておりましたから、テレビドラマとはいえ、熱量が凄かった。ちらっと金子信雄も出ておりますが、今見直すと、きちんと!広島弁でした。当時、中学生だった私は、さすがにまだヤクザ映画を見に行ってはおりません。
神代辰巳監督の回など、こんなのテレビで流していいの?というレベルで、日活ロマンポルノのテイストを、まんま取り入れており、あの神代監督独特の、ヌメッとした軟体動物のような感覚は、当時の私にわかるわけがありません。
今回、カメラマンの木村大作が、インタビューに答えておりましたが、あのオープニングは、木村さんのカメラで、しかもリハーサルなしの一発撮りだったそうです。木村さん曰く、あんなもの何度も出来るわけがありません。
他にも、衣装担当のタケ先生こと、菊地武夫、音楽の大野克夫も出ておりましたが、ふたりともさすがに年齢を感じました。木村大作さんもそうですが、スタッフも超一流だったのです。
あのドラマが凄かったのは、修も享も、ヒーローでもなんでもなかったのです。学歴もなく、探偵事務所で便利使いされ、喧嘩も弱い。
だからこそ、あの情けなさ、カッコ悪さが、強烈な共感を与えたのです。私はそう思います。
あえて書きますが、後半、特に最終回など、享を演じた水谷豊は、修を演じたショーケンを喰っておりました。初回と最終回では、享がまるで違うのです。そして、その最終回の、あの有名なラストシーンですが、あれは市川森一さんの脚本には、一行もなかったのです。これはさすがにびっくりしました。
ラストシーンを夢の島にしたのは、監督だった工藤栄一さんのアイデアだったそうです。
水谷豊が、番組のラストで、しみじみ語っておりましたが、いま、萩原さんと共演したいと思うというのは、よくわかるし、本当に見たかった。何せあれから、ただの一度も共演はなかったのです。
「傷だらけの天使」がなければ、「探偵物語」も、「探偵濱マイク」もなかったでしょう。それくらいのドラマでした。
※何度かリメイクされましたが、まあ、あんなものです。
今ならば、修が綾野剛、享が菅田将暉あたりがベストでしょうが、あのふたりには絶対に敵いません。それくらいの、奇跡のコンビだったのです。