「王様のレストラン」を見て以来、三谷幸喜のドラマは、ほぼ全て見てまいりました。最近は、舞台以外は圧倒的に映画が多く、連ドラとしては、大河ドラマのみです。


そんな三谷さんが、WOWOWで、ワンシーンワンカットドラマに、みたび挑戦しました。主演は、いま何かと話題の田中圭です。


「おい、太宰」です。役者は五人のみ。田中圭、小池栄子、宮澤エマ、梶原善、そして松山ケンイチ。


何せ、どこかでNGがあれば、全て撮り直しという、大変シビアな脚本です。演じた五人の方々にとっては、どえらいプレッシャーでしょう。


田中圭扮する、太宰治を愛する健作は、宮澤エマ扮する妻、美代子と結婚式に出ておりました。その帰り、道に迷ってしまうのですが、そこは太宰が心中未遂を起こした場所のそばでした。


とある洞窟を抜けると、そこには、松山ケンイチ扮する太宰治と、小池栄子扮する、心中相手のトミ子がいるのです。そう、タイムスリップものをワンシーンワンカットで作るという、無謀ともいえるドラマなのです。


ところが、これがどうにも弾まない。二時間弱の作品なのですが、三度めにしてようやくラストまで見ることが出来ました。不覚にも寝てしまったのです。


最後まで疑問だったのは、なぜこのような作品を、ワンシーンワンカットで撮らなければならなかったかということです。そういう謳い文句であるため、カメラワークが気になって仕方ないのです。正直、別にワンカットでなくても、構わないのではと思いました。


健作はどうにかして、心中を思い止まらせようと尽力し、それが見事に空回りするというのは、三谷幸喜が得意中の得意なシチュエーションコメディなのですが、どうにものれないのです。


地元の漁師に扮するのが梶原善で、彼がコメディの部分を多く担っているのですが、詳しくは書けませんが、あまり成功しているとも思えません。コメディでありながら、ほとんど笑えないのです。


世間的には評判の良かった、「記憶にございません」も、私は全く好みではなかったし、間もなくWOWOWで放送される、「スオミの話をしよう」は、まだ見ておりませんが、あまり評判はよろしくありません。「ギャラクシー街道」に至っては、酷評されておりました。


そうなのです。「鎌倉殿の13人」は抜群でしたが、それ以外はここのところ、映像作品においては、決して成功しているとは思えないのです。


三谷さんの真骨頂は舞台です。残念ながら、私の地方では、見ることは叶わないため、映像作品でしか触れることは出来ませんが、三谷幸喜らしい連ドラを見たいと、強く思いました。