やはり、森下佳子はいいです。


女郎屋を描くということは、男女の色事を描くということです。それは、当たり前のことで、そこを避けて描くのなら、女郎屋などを題材にしないことです。


それだけの覚悟をもって、「べらぼう」は作られております。特に今回は良かった。


水野美紀と正名僕蔵が女郎屋を営む夫婦というのも凄いし、小芝風花扮する花魁、瀬川の身請け話は、彼らにとって大金が入るお話なので、絶対に潰したくないのですが、彼らが言う、足抜けした女郎とマブ(恋人)のその後のことも、また事実です。楽しい未来が待っているわけではないのです。


正名僕蔵扮する松葉屋に至っては、瀬川と客との、その最中をあえて横浜流星扮する重三郎に見せつけるのです。花魁だろうと何だろうと、やることは一緒なのです。


水野美紀扮するいねは、足抜けを試みた、小野花梨扮するうつせみを捕まえ、腕に刺青が入っていたうつせみに、こう言い放ちます。


「芝居のネタにでもなるつもりかい、このしょんべん女郎が!」と。


痺れましたね。こんな台詞、そうは書けません。何度も書きましたが、森下佳子が紡ぐ台詞は、気っ風が見事に粋なのです。


そして、水野美紀です。私は、柏木雪乃が大好きでした。あの頃は、芝居は酷かったのですが、本当に可愛かった。


彼女も色々な経験を経て、今があります。「べらぼう」がますます楽しみになりました。