「仁」や「ファーストペンギン」、はたまた「義母と娘のブルース」など、森下佳子さんの作品では、とにかく女性が輝いております。
そして何より、すっとするような気っ風を感じます。今回の、「べらぼう」もそうです。男性、女性、どちらもです。
小芝風花扮する瀬川然り、高橋克実扮する駿河屋然り。
このドラマでは、風間俊介扮する鶴屋が、実にいいヒールになっております。自分が一番、横浜流星扮する重三郎を嫌っているのですが、他の本屋仲間のせいにして、約束を反古にして重三郎を本屋に加えようとはいたしません。
その言い訳に、吉原の住民のことを卑しい外道と蔑んだため、駿河屋がぶちギレます。階段から突き落とし、「覚悟しろや、この赤子面!」と。他の忘八連中も、駿河屋に同調します。お前ら二度と吉原の赤門をくぐるな、出ていけなくなるぞ、と。
これなのです。森下佳子は、いつもそうです。登場人物が粋なのです。そして啖呵が抜群です。普段なら、重三郎をたしなめるほうである駿河屋が、逆に重三郎に制止されるのです。
それは忘八と蔑まれながらも、吉原で生きることに誇りを持っている者として、看過できなかったからです。森下佳子は、勿論女性ですが、こういうところが実に男っぽいのです。
童顔で、誠実な役もこなせる風間俊介ですが、こういう裏表のある策士も抜群です。最近は、ともすれば器用なだけに、便利使いされるきらいもある風間俊介ですが、久しぶりに彼にふさわしいキャラがまわってまいりました。
片岡愛之助、西村まさ彦、風間俊介と、実に個性的なヒールが揃いましたので、これからますます楽しみです。
※先週話題になった、重三郎の「女の股で飯を喰っている」という台詞ですが、元ネタは、「仁義なき戦い」の大友勝利のオマージュに、私には感じました。
重三郎よりも遥かに下品ですが、ネットで調べてみてください。