私は遠い昔、新橋の雀荘でバイトをしておりました。


場代がえらく高い雀荘で、お客も近隣の有名企業で働いている人は勿論、何代も続く不動産屋の社長や、地元の有名の蕎麦屋の主人など、様々でした。だからバイト代も、今から40年以上前で、時給800円でした。


もう時効だから書きますが、賭けないひとなど皆無で、とある企業のお偉いさんが卓を囲むときは、自民党ルールなるものを使用しておりました。


そこで、巧いひとの麻雀を見て、こういう打ち方があるのかと、衝撃を受けたことを、今でも覚えております。何せ、当時の普通のサラリーマンの給料一月分が、勝ち負けの額になるような麻雀です。


さて、ここからは、一度書いておりましたら、ご容赦ください。


地元に帰り、私が入っていたとある団体の麻雀大会に誘われたことがあり、仕切っていたのが高校の後輩だったため、参加いたしました。


その日はツキがなく、あまり良い手がきませんでした。ただ、ある場面で、どうみてもクズ手なのですが、あることを思いつき、方向性を決めて、打ち回しました。


その時は、跳満のテンパイまでしか行けなかったのですが、対面で上がったかたが、こう言いました。


「きみ、何かやってた?」


その時、ずっと私の手を見ていた、わたしの後輩もこう言いました。彼は途中で、思わず「ええっ?」と呟いたくらいでした。


「○○さん、凄いです。最初、何を目指しているか、全くわかりませんでした。どうみてもゴミ手なのに、まさかあんな形になるなんて、びっくりしました。」


麻雀は、打牌を見ていれば、わかる人にはわかるものなのです。


ただ、こうも言っておきました。


「あのね、あがれなけらば、役満もゴミ手も一緒」と。