先日、録画しそこなった、NHKの「山田太一からの手紙」をようやく見ることができました。


Eテレなどと言っておりますが、要は教育テレビです。教育テレビの番組を見るなど、何年ぶりかわかりません。


冒頭に、ディレクターの合津直枝さんが出てきたので、テレビマンユニオンの制作なのだろうと直感しました。それなら、間違いありません。


山田太一さんは、大変筆まめな方だったそうで、仕事仲間以外にも、たくさんの書簡のやり取りをしておりました。それらの一部が紹介されたのですが、番組は、中島唱子、小倉一郎ら起用した役者に宛てた手紙から始まりました。


中島唱子は、「ふぞろいの林檎たち」にオーディションで選ばれました。選ばれた理由を、不細工だからとメディアに書かれ、ひどく傷ついたのですが、直後に山田さんから、そんな理由で選んだのではないと書かれた手紙を送られたそうです。


脚本家の、岡田惠和にも、突然手紙が届き、「最後から二番目の恋」を褒められたそうです。岡田さんは、私と同世代なので、山田さんは憧れの存在でした。まだ、何者でもない頃、何度も山田太一さんのシナリオを書き写したそうです。それが自分のシナリオ作りの原点なのだと。


実は、このドラマのディレクターは、山田さんの娘さんである、石坂理江子さんなのです。そんなこともあって、この作品を見ていたのでしょう。主演のひとりが、山田作品にいくつも出演した、中井貴一ということもあったと思います。


ある時期から、山田さんは、テレビと一線を引くようになりました。今の若いディレクター、プロデューサーなら、倉本聰さんもそうですが、山田さんは大御所過ぎて、煙たい存在になってしまったのかもしれません。


いや、へたをすれば、向田邦子、倉本聰、山田太一を知らない世代が、もう現場の中心なのかもしれません。


ナレーションが、松重豊というのもよかった。確か、「ありふれた奇跡」に出ておりましたが、山田作品に間に合った世代です。

 

喫茶店の主人などとも、普通に手紙のやり取りをしていたのには、さすがにびっくりしました。市井の人達を描き続けた、山田さんならば、普通のことだったのでしょう。


一時間、あっという間でした。テレビマンユニオンといえば、是枝裕和監督の古巣です。さすがという密度のドキュメンタリーでした。


※岡田さんも話しておりましたが、昔は倉本聰や山田太一のシナリオが、普通に出版されていたのです。私も、「男たちの旅路」や「6羽のかもめ」のシナリオ本を持っております。