もう10回は見ておりますが、何回見ても、良いものは良いです。


「深夜食堂」の、私のベストである、「きんぴらごぼう」です。山中崇扮するチンピラのゲンちゃん、ゲストにつみきみほを従え、一世一代のメイン扱いです。


つみきみほは、ゲンの高校時代の先生で、食堂で偶然再会します。ゲンの好物は、きんぴらごぼうなのですが、それは昔、先生がゲンのために作ってくれたお弁当に入っていたものでした。


先生はゲンの憧れだったのです。ゲンは、ヤクザという身分を隠して、東京を案内します。


実は先生は、かつての恋人にニューヨークから逢いにきていたのですが、恋人には家庭があり、熱海にふたりで行くはずだったのに、連絡が途絶えておりました。


ゲンは、真面目に先生と付き合おうと思い、ヤクザから足を洗い、パチンコ屋で働きだしました。


もうね、30分の短編映画なのです。なぜ、先生は東京に戻ってきたのか、その理由は、ラストで全て明らかになりますが、そこに台詞はありません。


食堂に届いたエアメール、そのエアメールをゲンに届ける、松重豊扮する兄貴分の竜、号泣するゲン、最小限の描写で、全てを表します。


脚本、真辺克彦、監督、山下敦弘、映画畑の腕っこきのプロたちが、まさに職人芸を見せてくれます。


今回、改めて見直して感じたのは、毎回ラストに流れる、ドラマのスナップで、その画像が心に沁みるものばかりなのです。登場人物の表情が、実にいい。


ドラマの放送時、山中崇はまだ、今ほどのポジションではありませんでした。「闇金ウシジマくん」で彼を知った私は、クズを演じさせたら日本一と評しました。今では、様々なキャラを演じており、朝ドラにも出演いたしました。


「深夜食堂」には、数々の名作がありますが、一分の隙もない傑作です。