全て見終わり、だいぶ頭の整理がつきました。


「虎に翼」が終わりました。様々なタブーとも言えるテーマを、これでもかと詰め込んだため、特に後半に関しては、詰め込み過ぎではないかと批判も見受けられました。


女性に対しての様々な差別から、このドラマは始まりましたが、生理や更年期障害、身分の格差、ジェンダー、夫婦別姓、国籍差別、政治家の司法への介入、果ては原爆裁判や尊属殺人まで、ありとあらゆることを取り上げました。


まさか朝ドラで、生理が重いだの、更年期障害のことまで描かれるとは、さすがに思いませんでした。これだけでも、朝にふさわしい、爽やかなドラマということには、当てはまりません。


明律大学に進み、寅子は法律の勉強をするのですが、そこで一生の友と出逢います。しかし、女子部のほとんどは、司法試験までたどり着くことすらなく、途中で様々な理由で、リタイアしていきました。


だからこそ、友人の悔しさを背負って、寅子は法曹界に進んでいくのです。そしてそれは、母の言うとおり、地獄の道でした。そもそも、女性がいない世界なのです。


まるで、中島みゆきの「ファイト!」のように、女であることをあげつらわれ、様々な障害が彼女を待ち受けておりました。


最近の朝ドラで、これほど涙や怒りが描かれるのは、大変珍しい。だからこそ、面白かったのです。


また、寅子は、秀才ではありましたが、家事などまでは手が回らず、子育てでも苦労します。対照的なのが花枝で、こちらはずっと専業主婦で、夫を戦争で失ってからも、猪爪の家を守り続けます。寅子は何もかもが出来る、世間一般でいう、優れた女性ではなかったのです。


また、これだけ登場人物が多いにも関わらず、脇の脇まで、キャラクターがきちんと描かれております。だからこそ、ドラマとして際立っているのです。


欠点もあります。確かに巷間言われている通り、特に後半に、様々なテーマを詰め込み過ぎたきらいはありました。しかし、それでも、朝ドラ史上に残る作品であることは、疑いようがありません。


何より、日本国憲法14条です。いまの自民党が、憲法改正で何をなくそうとしているか、今一度考えるべきなのです。


※ドラマのInstagramなどで、晩年の扮装をした寅子が映っておりました。そんなシーンはありましたっけ?