昨日の、夜のニュースあたりから、真田広之のエミー賞獲得の事が、トップで扱われるようになりました。今朝のワイドショーも、このニュース一色でした。
昨日、昼のワイドショーでは、放送中に結果が出たのですが、延々と政治ネタと大谷ネタ、それに残暑ばかりで、私は激怒しておりましたが、配信で生中継されていたので、報道に縛りがあったのかもしれません。エンディングにかたちだけの報道でした。
けれど、普通ならば、ニュース速報を流してもいいレベルの快挙なのです。当たり前ですが、こういう時はテレビ局は、受賞を想定して、VTRの準備をしております。ワイドショーのフットワークは、どんどん重くなっていると感じます。
で、こういう快挙を日本人が、海外で成し遂げた時、必ず出るのが、日本人凄い、です。
そうではないでしょう。
真田さんは、自身を野茂に例えておりました。開拓者は、いつも変わり者扱いされるのです。真田さんクラスならば、日本にいても充分稼げます。コマーシャルに出て、ドラマや映画に出ていれば、かなりの額になったでしょう。
しかし、真田さんは、昨日の私のブログのタイトルではありませんが、あえて悪路を選びました。誰も通っていない道を、自ら切り開いたのです。
渡辺謙も役所広司も、日本の作品にもでておりますが、真田広之は、一部のコマーシャルを除いて、一切出演しませんでした。野茂のように退路を絶ったのです。
日本の時代劇の伝統を重んじたと言いますが、それでは、あれだけのスケールの時代劇を、日本で製作できますか?絶対に無理です。しかし、彼には先達から繋いできた伝統を引き継いでおります。そこに拘るからこそ、これだけの偉業を成し遂げたのです。
日本人が凄いのではありません。真田広之も、野茂英雄も、大谷翔平も、みんな日本人の枠にはまらない、突破者なのです。
みんな、海を渡った時は、なんの保証もありませんでした。日本にいた時のほうが、間違いなく稼げたのです。それを捨ててなお、いまの地位を築いたのです。真田さんなど、「ラストサムライ」から、20年ですよ。
私は、東映で、彼の殺陣の素晴らしさを散々見ております。殺陣に色気があるのです。しかし、その東映ですら、時代劇そのものが、ほとんど作られないではないですか。
作品賞のときの、日本語のスピーチは、感動的でした。あれは、先達への感謝の言葉てますが、俺に続く奴はいないのか?という問いかけでもあります。
賀来賢人は、その問いかけに、すぐに反応しました。私などには思いもよらない世代の人達が、彼に続くことでしょう。