以前から見たいと思っていた、石井裕也監督の「愛にイナズマ」が、WOWOWで放送されました。 


主演は松岡茉優ですが、何せ面子が凄まじい。


窪田正孝、池松壮亮、若葉竜也、それに佐藤浩市!ここまでがメインキャストで、これだけでも相当なものなのですが、ちらりと出てくるのが、仲野太賀、高良健吾、趣里、北村有起哉、MEGUMI、三浦貴大、益岡徹、中野英雄、鶴見辰吾と、豪華絢爛です。よほど石井監督が、信頼されているのでしょう。


ストーリーは、松岡茉優扮する花子が、低予算ながら、一本の映画の監督を任されるところから始まります。その映画のプロデューサーと助監督が、MEGUMIと三浦貴大なのですが、このふたりが、日本映画の悪いところを、思い切り凝縮したような胡散臭さです。


案の定、花子は、なんだかんだと難癖をつけられて監督を解任され、仲野太賀扮する、花子が抜擢した役者、落合も降板させられ、彼は失意のうちに自殺します。その映画に参加するベテラン俳優が、実の父親である、中野英雄というのも、なかなかです。


花子が撮ろうとしていた映画は、自分の家族をモデルにしておりました。映画を諦めきれない花子は、本当の家族を撮影するのですが、父親が佐藤浩市、兄弟が、池松壮亮と若葉竜也ですから、相当濃い。


ネットでは、コメディという扱いですが、世間一般で言うところのコメディとは、かなり違います。そして、特にラスト30分くらいからの、エピソードの畳み掛けは、相当なものです。


私が驚嘆したのは、これだけの強者揃いのなか、松岡茉優は座長として、全く揺るがない存在感をすでに持っているということです。


石井裕也監督は、昨年、この映画と「月」を製作しております。そりゃ、石井組で仕事をしたいと思うはずです。