「エンジェルフライト」は、古沢良太と香坂隆史という、ふたりの脚本家が、交互に書いておりますが、昨日の回は、これぞ古沢良太という出来でした。  


余貴美子扮する、大衆食堂のおかみさんが、ソウルのホテルで急死します。韓流スターのコンサートツアーに参加している最中でした。


米倉涼子扮する那美たちは、ソウルで遺体搬送の手配をしますが、折しも台風が直撃し、ほとんどの便が欠航になります。


ようやく一便だけ、フライトが確定し、何とか棺のスペースを確保するのですが、同じころ、大手紳士服チェーンの社長も、ソウルのホテルで腹上死します。


こちらは、社葬が決まっており、総理大臣も出席を予定しており、遠藤憲一扮する会長が、一度了解したため、今さら後には引けません。


で、ここからが、古沢良太マジックなのです。


ドラマのオープニングで、ふたりの小学生が描かれます。ひとりは、クラスのボスで、もうひとりはボスのランドセルを持たされておりました。それが、いまの、紳士服チェーンの社長と、総務部長です。演じるのは、管原大吉と井上肇です。


そのとき、ある違和感を持って見ていたのですが、そのことは、あとで的中いたしました。さすがです。古沢良太ならではです。しかし、それだけでは終わりませんでした。

 

オープニングクレジットで、名前がなかったふたりが、ラスト近くで登場いたします。食堂のおかみさんの葬儀にやってきたのですが、これにはやられました。


何度も、自分のことを後回しにして、お客や家族のことを優先する、おかみさんのエピソードが挿入されるのですが、その事は、このラストの伏線でした。私もまんまと騙されました。そして、涙腺が崩壊いたしました。


ふたりを、どうやって搬送するかよりも、私は、このふたつのエピソードのほうが堪えました。見事です。そして、これこそ私が愛した、ザ、古沢良太です。