今朝、唐突に、NHKのBSで、倉本聰さんと小山薫堂さんの対談番組が放送されました。「富良野にて」というタイトルです。


90近い倉本聰さんは、私が勝手に師匠と思っている方ですが、これが面白かった。


かつて聴いたこともあるエピソードもありましたが、NHKと喧嘩して、大河ドラマを降板したことを、NHKで語るのですから、世の中も変わったものです。


倉本さんといえば、「北の国から」と言われておりますが、冗談ではありません。たしかに代表作ではありますが、「前略おふくろ様」、「昨日、悲別で」、「たとえば愛」、「大都会」、「ライスカレー」、「りんりんと」、「ばんえい」、「幻の町」、「祭が終わったとき」、「赤ひげ」、「さよならお竜さん」、「風のガーデン」、なんぼでもあります。そして悲しいかな、録画して保存しているものは、「やすらぎの郷」だけです。


なぜなら、録画は全てVHSで、保存が悪くて、もう見ることが出来ないからです。カビが生えておりました。


倉本さんは、何気ない言葉の取り上げ方が絶妙で、今回のインタビューでも語られておりましたが、敗者は北へ向かう。だから、敗北という。そして、倉本さんも、「勝海舟」を降板したとき、北海道に向かいました。


そこで、様々な人達に出会うのですが、とにかく北海道の人達が暖かい方ばかりだったそうです。それで北海道に永住することを決めたそうです。


この話は知っておりましたが、富良野を訪れ、このへんに熊は出ませんかと、土地の方に聞いたときに、「いやー、このへんの熊は気立てがいいから」と返されたときに、ここに住もうと思ったというのには、大笑いいたしました。


間もなく、「海の沈黙」という映画が、公開されますが、やっぱりあと一度だけでも、テレビドラマが見たい。倉本さんの主戦場は、テレビだったからです。


歳はとりましたが、まだお元気そうでした。山田太一さん亡きあと、もう私の若い頃に、私の人生に影響を与えてくれた方は、倉本さんだけになりました。


そして、いまの民放には、もう倉本さんを受け止めるだけの度量はないと思います。今だからこそNHKだと、このインタビューを見て感じました。