新しい、「鬼平犯科帳」が公開されました。私は、ドラマスペシャルとして作られた、「本所桜屋敷」が、私の地元では、今週放送されますので、それを見てから、映画を見に行こうか決めようと思っております。


ただ、今回、映画化されるのが、「血闘」と「血頭の丹兵衛」というのは、実に的を得ております。どちらも、「鬼平」屈指の名作だからです。


前者はおまさ、後者は粂八がメインのお話ですが、そこに長谷川平蔵の情が、鮮やかに絡みます。ひとつの作品として、超一級です。


登場する盗賊は、北村有起哉と古田新太で、これまたぴったりです。北村有起哉は、父の北村和夫が、平蔵の叔父、三沢仙右衛門として、レギュラー出演しておりましたし、古田新太は、丹兵衛のイメージそのものです。


特に、吉右衛門版の「血闘」のラストの、平蔵と盗賊のやり取りは、初めて耳にしたとき、ぞくっとしました。間違っても、あの台詞をいじっていないことを願います。


あとは、松本幸四郎が、どこまで演じられたかです。原作者の池波正太郎は、吉右衛門の平蔵を望みましたが、第一回が放送されたとき、自著でダメ出しをいたしました。以前に比べて、役者の劣化が著しいと。


あれでダメなら、今後は「鬼平」など作れないと思いましたが、やはり、このシリーズを愛したものとして、見てみたいと思います。