「舟を編む」が終わりました。本当にいい最終回でした。


柴田恭兵扮する松本先生は、原作では、編纂を手掛けていた辞書、「大渡海」の完成を待たずに亡くなります。


今回のドラマでは、時代設定を、コロナが蔓延していた時期に変更いたしました。なので、癌が治っても、コロナに感染して亡くなるのではと思っておりました。


それを、まるで違う設定にいたしました。このことは、原作のファンから、批判されるかもしれません。しかし、こんな時代だからこそ、あえて変更したのだと、私は、勝手に解釈いたしました。


また、このドラマは、主役を、編集者の中心である、野田洋次郎扮する馬締ではなく、池田エライザ扮するみどりに変更いたしました。言葉に無頓着で、読者モデルあがりのみどりが、服装はどんどん地味になるのですが、表情はどんどん輝いてまいります。


その成長が、なんとも眩しく、たのもしく見えました。池田エライザは、間違いなく、いい女優になります。


もうひとつ、このドラマの音楽は素晴らしい。どんなシーンであろうと、一切でしゃばらないのです。


ドラマ、「舟を編む」は、間違いなく名作です。


※前田旺志郎扮する天童は、幼い頃、松本先生に励まされておりました。そのことを、彼は松本先生に、伝えておりませんでした。


大渡海の出版記念パーティーで、天童は、あることを知ります。これは、本当に良かった。


馬締と、美村里江扮する、妻、香具矢とのエピソードも、たまらないものでした。コロナで香具矢の店は閑古鳥がなき、お店の存続が危ぶまれるのですが、馬締は辞書の編集の追い込みに入っており、妻の心情に気付きませんでした。


香具矢は、京都に行くことを決意します。かつての師匠が、手を差しのべてくれたのです。馬締は猛反対しますが、彼女の心は変わりません。


そのふたりがどうなるかも、ぜひドラマをご覧になってください。