たまたま、テレビをつけていたところ、美味しそうな麻婆豆腐を特集しておりました。


麻婆豆腐には、いくつか想い出があります。


私は、はじめての大学受験のとき、東京で働いていたおじの社宅にお世話になりました。


当時、おじは新婚で、よくずうずうしくも泊まりにいったと思いますが、私立ばかりで、四つも受けており、約二週間もかかるため、お金をけちった母が、お願いしたようです。


おじの奥様は、某短大の家政科を出ており、料理がとにかく得意で、田舎の母親の料理しか知らない私には、まさにカルチャーショックでした。


特に、麻婆豆腐を、素を使わないで作るというのは信じられず、当時はまだ、クックドゥなど売っていなかったため、丸美屋の麻婆豆腐の素以外は、お店で食べるものでした。それを苦もなく作る奥様に、子供心にも、こういう料理の得意な女性と結婚しようと誓ったものです。


もうひとつの想い出は、原宿の麻婆豆腐です。ここは、本当に美味しかった。

 

特にお昼どきは、オープンと同時くらいにいかないと、間違いなく行列になってしまい、出張時に食べられれば、本当にラッキーでした。


昼のランチは、週変わりで千円前後のものが、いくつかあるのですが、麻婆豆腐だけは必ずあり、二人で麻婆豆腐と別のものを頼み、さらにおかずだけを、一品追加して、シェアするのが通でした。


ここは辛く、食べると大量の汗が流れるのですが、とにかく箸がとまりません。ご飯はおひつで来るのですが、さらにおかわりするほどです。それくらい、ご飯が進みます。


原宿では、知らないひとがいないほどの名店ですが、決して敷居は高くありません。竹下通りと明治通りがぶつかる交差点の信号のすぐそばです。麻婆豆腐は必須です。