「お別れホスピタル」が終わりました。


前回、看取る立場の人と、看護士にも、病気が見つかり、介護することの厳しさをリアルに描いておりました。


このドラマは、患者たちの死で始まり、死で終わりました。そして、看取る側の死もありました。


今は、みんなに介護する余裕が、あるわけではありません。介護するには、お金もかかるし、何より肉体的に大変きついものです。


そのような介護の現実を、この作品は容赦なく描きます。入院している親の年金だけで暮らしている息子、死ぬ前から、土地や建物の権利書を差し出すよう、弁護士だけを病室によこす親族、夫に長く生きてほしいと思い、胃ろうを行うのですが、次第に病室から足が遠のく妻、回復する見込みがない娘を看病し続けていたところに、自分の癌がわかり、心中を考える母親。


そして、生き甲斐の息子が、大学に合格したのと同じ時期に、やはり癌が見つかった、シングルマザーの看護士。わずか四回のドラマのなかに、たくさんのエピソードを盛り込んでいるにも関わらず、安達奈緒子の脚本は、それらを鮮やかに捌いていきます。


正解など、あろうはずがないのですが、医療現場のいまは、まさに私たちのいまなのです。遅かれ早かれ、私たちは、介護する側か、される側になるのです。


これは、続編もありです。


※木野花扮する、資産家の老婆が、死を前にして、何をするかは見ものです。まさに、彼女の意地です。