キネマ旬報の、ベストテン発表号を、読んでまいりました。すみません、立ち読みです。


本当は、買いに行ったのです。けれど、諸々の順位を見て、購入するのをやめました。


キネマ旬報という映画雑誌は、歴史はかなりのもので、一番フラットに作品が選ばれると、自称しております。


けれど、ここのベストテンは、わりと特定の方々に偏ります。以前も、ここでの一位の評価を見て、その作品を見たところ、正直、これが一位?ということも、何度かありました。


何十人もの評論家が、記名で投票して決めるのですから、クリアといえば、確かにクリアなのです。そして、今年においては、他の作品を、そこまで見ていないため、あっちのほうが上だとかは、言う資格がありません。


ただね、海外の評価が全て正しいとは申しませんが、是枝裕和監督と、脚本家の坂元裕二が初のタッグを組み、カンヌ映画祭で脚本賞をとった、「怪物」を、最優秀脚本賞に選んだのが、たったひとりなのです。


そして、上位に並んでいたのは、キネマ旬報では、いつも上のほうにいるかたばかりでした。ちなみに、「怪物」は、ベストテンの七位ですが、監督賞に、是枝裕和を選んだ方は、ゼロです。


そんなものですかねえ。


最優秀の主演男優が役所広司、主演女優が趣里、助演女優が二階堂ふみ、助演男優が磯村勇斗と、役所広司以外は、全員初の受賞で、例年より大きく若返っております。しかし、ベストテンに選ばれた映画は、いつもの監督がほとんどでした。それで、なんとなく買う気がなくなってしまったのです。


かつてのキネマ旬報は、邦画、洋画問わず、芸術的な部分と先物買いが、良いバランスになっておりました。ベストテンのほとんどを、見ていた時期もあります。


それが、ある時期から、私が見るような作品が、全く選ばれなくなり、洋画など、地方に来るのは、マーベルかアニメばかりになってしまい、キネマ旬報もほとんど買わなくなってしまいました。


私の地元は、シネコンはありますが、ベストテンに入る作品は、ほとんど公開されないため、本を買っても意味がなくなってしまったのです。


ちなみに、今年のベストテンに入っている邦画で、地元で公開されたのは、「怪物」、「ゴジラー1,0」、「君たちはどう生きるか」だけです。


では、残りの七本が見たいかといえば、正直あまりそそられる作品はありません。


日本映画も、アニメとテレビドラマの映画化と、純文学のような、芸術的なもので、ほとんどが当てはまってしまうようです。