奈緒と、とんねるずの木梨憲武がダブル主演という、フジテレビの「春になったら」が始まりました。


木梨を、実年齢相応の、63歳の実演販売士に設定して、3ヶ月後に結婚しようとする、助産師の娘と、末期の膵臓癌で、3ヶ月後に死んでしまう父親の、その3ヶ月を描こうというお話です。


当初、見るつもりはなかったのですが、脚本が福田靖ということと、ただのコメディではないことがわかったため、とりあえず初回を見ました。


「ファーストペンギン」のときにも書きましたが、奈緒は今や立派な主演女優です。しかも、「ファーストペンギン」のときの、堤真一、今回の木梨憲武と、ベテランを相手にしても、物怖じしません。むしろ、共演を楽しんでおります。


父と娘のふたり暮らしなのですが、濱田岳扮する、40近くの、売れない芸人、しかも東大中退という男と、娘の瞳は、結婚すると父、雅彦に突然宣言します。当然、父親は猛反対します。そんな男に、大事な娘をやるわけにはいかないと。


一方、父の病気も、嘘ではないことがわかります。瞳は、延命治療を勧めますが、同僚が同じ病気で死んでいくのを、目の当たりにしているため、絶対に治療は受けないと、瞳に告げます。


ドラマは、3ヶ月ですので、ほぼリアルタイムで、物語は進んでいきます。福田靖の脚本は、過剰な演出に頼らず、淡々とふたりを描いております。


特筆すべきは、松本佳奈の演出で、まるで映画のように美しい、穏やかな映像です。この方は、「きのう、何食べた?」や、WOWOWの「フェンス」も監督しておりましたが、なかなかの実力です。


私も、膵臓癌で、身内を亡くしておりますので、あまり気が進まなかったのですが、これなら見られそうです。