このドラマは、小池栄子が主演ですが、どうしても目を引くのは、吉岡秀隆と小林薫です。


なんてったって、あの「ドクターコトー診療所」の、コトー先生と、義理の父親です。そうです。今回と同じ、義理の親子です。


それが、よくここまで、振り切れるものです。医師の鑑のようなコトー先生と、実直が取り柄の村役場の課長が、もう、どうしようもないダメ人間として、登場しております。


特に、小池栄子扮する万里江の夫、悠作に扮する吉岡秀隆のクズぶりは、尋常ではありません。10年以上、新作を書いていないマンガ作家の役なのですが、そもそも働く気がなく、ゲームばかりやっております。完全にヒモ状態です。


小林薫扮する、万里江の父、達男も、なかなかのもので、万里江の家に居候していながら、スナックのママに入れあげ、迎えにきたママと、バイクで出ていき、同棲を始めるのですが、あっという間に捨てられて、戻ってまいります。


作間龍斗扮する息子の純基も、アイドルのオーディションに応募するは、推薦入試で真面目に答えず、不合格になるはで、万里江の苦労は絶えません。


金子茂樹の脚本は、もろ会話劇で、男三人の尋常ではないひねくれ方が、実に面白い。三人揃って、自分勝手な理屈をこねくりまわします。


そもそも、猫が踊るタイトルを見れば、真面目なドラマを作る気などさらさらないのはわかりますが、その振り切りかたは、清々しいほどです。


ドラマは、もう終盤ですが、まだ着地点は見えません。果たして悠作は、漫画の新作が書けるのか、なかなか楽しみです。