先日、「ある男」を見たのは、ちょうど今、BSで、同じ妻夫木聡主演の、「ブラックジャックによろしく」が再放送されていたからです。


こういうドラマは、どんどん再放送してほしいものです。


何より、よく揃えたという面子です。


妻夫木聡、鈴木京香、加藤浩次の三人が、メインなのですが、毎週のように登場する医師、教授たちが、伊東四朗、緒形拳、原田芳雄、石橋凌、三浦友和、笑福亭鶴瓶、鹿賀丈史らです。他にも国仲涼子や、脇の脇で出ているのが、なんと綾瀬はるかです。


大学病院の研修医が、妻夫木聡扮する斎藤で、ベテランナースが、鈴木京香、同僚の研修医が加藤浩次です。医大の抱える問題を浮き彫りにしながら、様々な人達に出会いながら、少しずつ成長していきます。


斎藤は、若いです。だから青臭く、真っ直ぐです。真っ直ぐ過ぎて、旧態依然とした医師たちからは嫌われますが、自分の信念は曲げません。


そんな斎藤を、妻夫木聡は、まさに真っ直ぐに演じております。そして、そんな妻夫木聡を、大ベテランの名優たちが受け止める。私は、そのなかでも、今は亡きふたりの名優、緒形拳と原田芳雄に惹かれました。ふたりとも、大学病院の先生ではありません。ひとりは、斎藤がバイトに行く病院で、もうひとりは、斎藤が難しい手術を依頼しにいく、心臓病の名医です。


こういう人達が、もう見られないのは、本当に淋しい。原田芳雄が、いきつけのカラオケスナックで、何かにつかれたように、サブちゃんの「ギター仁義」を唄うシーンなど、絶品です。


こういう、出てくるだけで、ゾクッとするような役者は、本当に減りました。