相変わらず、ドラマの再放送ばかりを見ております。昨日は、「鬼平犯科帳」の、「流星」が放送されました。


これは、本当に良く出来ております。関西の大泥棒、生駒の仙右衛門が、中村吉右衛門扮する長谷川平蔵をなきものにするため、刺客を送り込みます。そして、江戸の盗賊、鹿山の市之助と手を組み、平蔵の配下の人達を、次々と暗殺し、警護で手薄になったところを、押し込みに入られ、狙われた商家や寺を、皆殺しにされました。


東西の大盗賊が、金田龍之介と南原宏治。このふたり名優の貫禄は、さすがと言う他ありません。悪役の大物は、こうでなくては、というお手本のようワルっぷりでした。


そして、今は足を洗った、元盗賊の船頭の友五郎が、犬塚弘です。飄々とした風貌ですが、船の扱いは飛び抜けており、ある弱味を握られ、急ぎ働きに手を貸さざるを得なくなります。


「鬼平」が面白いのは、勧善懲悪だけでなく、苦い結末、切ない結末もあることで、今回もそうですが、例えバッドエンドであろうとも、平蔵の情が、見るものの心をうつのです。


特に、この「流星」は、友五郎と、蟹江敬三扮する粂八とのコミカルな掛け合いから、後半のダイナミックな決闘まで、一時間半のスペシャルバージョンでも、全く退屈させません。


来年、松本幸四郎主演で、映画が作られますが、このエピソードなどは、実に映画向きだと思います。