「麒麟がくる」は、いよいよ佳境ですが、先日は、主人公の明智光秀と、不思議な縁で繋がっていた、松永久秀が、自害しました。

松永久秀という人物は、今まではあまりいいイメージでは描かれておりませんでした。裏切りに裏切りを重ねて、戦国を生き延びてきたという描かれかたがほとんどで、まあ、いわゆる悪役です。

その久秀を、吉田鋼太郎が演じることで、実に魅力的になりました。そもそも、これだけ丹念に、久秀が登場したドラマなど、皆無です。

通説では、高価な茶器と一緒に、爆死したと言われておりましたが、このドラマでは、あえて全く新しい死に方を選びました。

立ったまま、切腹するという、武士の所作としては、あり得ないものなのですが、私は、あの時の吉田鋼太郎を見ていて、彼がずっと演じてきた、シェークスピアの舞台に対するリスペクトだと感じました。

後ろの燃え盛る炎、仁王立ちの久秀、絶叫調のセリフ、こんなキャラを演じられるのは、吉田鋼太郎くらいです。

「あさイチ」を見ていて、ゲストの吉田さんに対して、博多華丸が、「MOZU」の時の吉田さんのことを、さかんに話しておりましたが、そういえば、あの時の悪役コンビは、吉田鋼太郎と、長谷川博己なのです。私はすっかり忘れておりました。

この二人の悪役は、抜群でした。不気味な笑みを浮かべる長谷川博己と、武闘派で、それでいて、ホモセクシャルな雰囲気もあり、「変態野郎」が口癖の吉田鋼太郎。前半の突き抜けた面白さは、間違いなく、このふたりが支えておりました。

悪役がチャーミングだと、ドラマは輝くのです。