前半のぶれ方が嘘のように、「エール」が面白くなりました。

いろんな方々が指摘しているように、戦争を境に、がらりと変わったのです。

自分の作った歌が、国威高揚に利用されていると、わかってはいたものの、お国のためになると思い、裕一は、次々と作曲を続けました。しかし、その曲たちに鼓舞され、たくさんの若者が戦場に駆り出され、しかも自身も慰問に行き、本当の戦争の残酷さを目の当たりにして、裕一は責任を痛感し、曲が作れなくなります。

そこに、北村有起哉扮する池田が現れ、ラジオドラマの曲を懇願されますが、この北村有起哉が、池田のモデルである、菊田一夫に生き写しと言えるほど、そっくりなのです。

ずっと作曲を固辞する裕一ですが、様々な葛藤を乗り越え、ついに、「鐘の鳴る丘」の主題歌、「とんがり帽子」を作り上げます。

朝方、曲を完成し、眠りこける裕一の横で、完成した譜面を見ながら、唄う音が素晴らしい。

裕一にとって、また、音にとっての戦争が、やっと終わったのです。

山崎育三郎扮する佐藤は、伊藤久男がモデルですが、彼も裕一同様、国威高揚のための歌を、数多く唄ったことの責任を感じ、酒に溺れたと記憶にあります。

何とか、この調子で、いってほしいものです。