怪物という表現は、大変失礼なのですが、この、松岡茉優という、天才を表現するには、これ程ふさわしい言葉はありません。
この間も書きましたが、「あまちゃん」での彼女を、私は全く意識しておりませんでした。世間一般でも、本人も、「あまちゃん」がターニングポイントになったと仰っておりましたが、ここでの彼女は、ただの女の子なのです。
それが、坂元裕二の、「問題のあるレストラン」で、私は一瞬でやられてしまいました。とんでもない才能が現れたと思ったのです。
ネットカフェに寝泊まりする、対人恐怖症の女の子なのですが、それでいて料理の天才という、とんでもない設定を、苦もなく演じていたのです。
引きこもっていた時は、金髪でしたが、数年ぶりに母親と会う時、髪を黒く染め直したのですが、その時の表情が、素晴らしかったのです。
母親には、再婚相手がおり、一緒に暮らせるという夢は、あっという間になくなりました。失意のまま、開店初日のレストランに戻ると、そこは、オペレーションが最悪で、お客には何も出せず、スタッフは呆然とするばかりでした。
料理を作ってくれというスタッフに、浴びせた言葉が素晴らしかった。友達通しで、ままごとのように、カッコだけの店を開く連中への、強烈な批判でした。こんな店、潰れればいい、と。
真木よう子扮するたま子に諭され、彼女は料理を、猛スピードで作り始めます。ただし、泣きながら。
こんな役をこなせるのは、松岡茉優しかおりません。行定勲監督が、感性の化け物と評するだけのことがあります。
「コウノドリ」、「やすらぎの郷」、「万引き家族」、「ひとよ」、「劇場」、「ちはやふる」、「蜜蜂と遠雷」、そして、「騙し絵の牙」。
まだ、25ですよ。そら恐ろしいです。
だから、彼女は、怪物だと思うのです。