「龍馬伝」、たまりません。
アマゾンプライムや、ネットフレックスなどの仕組みを理解していない私は、今や14泊100円のゲオを愛用しております。遠い昔、レンタルビデオは、一泊1000円でしたから、隔世の感があります。しかも、大河ドラマは、一本に平均4話収録されておりますから、三時間以上、たっぷり楽しめます。
福山雅治の坂本龍馬は、はまり役でしたが、キャスティングのバランスが、実にいい。
香川照之の岩崎弥太郎と、大森南朋の武市半平太のコントラストが絶妙なのですが、この当時は、大森南朋は抜擢でした。しかし、その期待に、大森南朋は、見事に応えておりました。
かつて、香川照之が、何かで語っておりましたが、ドラマの収録前に、大森南朋と二人で、福山雅治のコンサートを見に行き、愕然としたそうです。
ドーム一杯のファンを、一人で魅了する、このスーパースターと、俺たちは、どうやって向き合うのかと。
しかし、お二人とも、素晴らしい芝居でした。
また、粒ぞろいのキャスティングなのですが、当時は派手で豪華とは思えず、むしろ渋めと感じておりましたが、今改めて見ると、とてつもなく豪華になりました。つまり、皆さんブレイクしたのです。
大泉洋、佐藤健、桐谷健太、青木崇高、滝藤賢一、田中哲司らが、まだ脇なのです。脇でも、主役を喰ってやろうと、凄い芝居をしています。
特に、佐藤健扮する岡田以蔵は、壮絶な最期を遂げますが、演出の大友啓史は、恐らくこの時既に、「るろうに剣心」の主役に、彼を決めていたのでしょう。
ちょうどいま、原田泰造扮する、近藤勇が登場してまいりましたが、ここまで貧相な(失礼)、近藤勇を、私は知りません。貧相ではあるのですが、野心にぎらついている。志などなにもない、こういう難しい役柄を、しっかり演じているのですから、原田泰造は大したものです。
そういう若手に刺激されたか、山内容堂を演じた近藤正臣や、勝海舟の武田鉄矢も、喰われまいとしたか、コッテコテの芝居をみせます。
たった今、寺田屋事件を見終わりましたが、福田靖の脚本、大友啓史の演出、もう神がかっております。特に、大友啓史は、NHKのいちディレクターで終わるわけがない逸材だということが、この回だけでも、よくわかります。
それにしても、
坂本龍馬=福山雅治だけでなく、
岩崎弥太郎=香川照之
武市半平太=大森南朋
高杉晋作=伊勢谷友介
中岡慎太郎=上川隆也
近藤長次郎=大泉洋
おりょう=真木よう子
山内容堂=近藤正臣
勝海舟=武田鉄矢
西郷隆盛=高橋克実
坂本乙女=寺島しのぶ
松平春嶽=夏八木勲
坂本八平=児玉清
千葉定吉=里見浩太朗
岡田以蔵=佐藤健
岩崎弥次郎=蟹江敬三
徳川慶喜=田中哲司
桂小五郎=谷原章介
大久保利通=及川光博
平井収二郎=宮迫博之
近藤勇=原田泰造
こんなキャスティング、今から10年前の、この年でなければ組めないし、全てがピタリとはまるという、まさに奇跡です。
宮迫博之と、ピエール瀧の件で、今しばらく、再放送はないでしょうから、オンデマンドでもなんでも構いません。これは、絶対に見るべきです。
「平清盛」は、さらに、改めて。