「カルテット」でブレイクしてからの、高橋一生の仕事には、あまり興味がありませんでした。典型的な、二枚目的な役が多かったからです。
「わろてんか」など、その最たるもので、役としては、かなり重いのですが、彼が演じる必然性を、全く感じませんでした。
坂元裕二さんは、ドラマでは、一番、高橋一生を、理解しているのですが、坂元さんが、テレビドラマの脚本を休業したのも痛かった。人気が出るのと比例して、彼ならではという癖のあるキャラは、どんどん減っていきました。
そんなとき、「凪のお暇」で、久しぶりに、高橋一生らしい芝居を見ることができました。
エリートサラリーマンで、若手の営業の鑑なのですが、黒木華扮するヒロイン、凪のことが大好きなのに、つい、真逆の行動をとり、無神経な物言いをしてしまう。
そのことに、凪は、深く傷つき、会社を辞め、立川(!)の安アパートに引っ越します。
この高橋一生が、実にいい。小生意気で、俺様キャラでありながら、人前を憚らず、号泣してしまう。凪の健気な気持ちを知りながらも、素直になれない。こういうややこしい設定は、彼を光らせます。
また、アパートでは、クラブのイベントで食べている、中村倫也と出会います。これがまた、ここ最近の、中村倫也の集大成のような役で、実に摩訶不思議なキャラです。
タトゥーを入れ、周囲もあまり、がらのよろしくない連中ばかりですが、妙な人懐っこさがあり、ひとを引き付ける何かを持っております。
それに加えて、同じアパートの住人は、三田佳子と吉田羊です。なかなかのチョイスです。
まだ、何が起きたわけでもないのに、実に面白い。
私は、今期のドラマのなかでは、一番しっくりきております。