いま、7月から始まるドラマの情報が、少しずつ解禁されております。
この時、必ず謳い文句になっているのが、「豪華キャスト」という表現です。へたをすると、「超豪華」なんてのもあります。
いえね、本当に豪華なら、何も申しませんが、最近は、よくこの程度で、豪華などと言えるものだというのが、特にフジテレビに見られます。
昔のフジテレビのドラマは、掛け値なしに豪華でした。とにかく、旬といえる俳優は、悉くフジテレビが押さえており、テレビ朝日のドラマに出ると、都落ちとまで言われたものです。今では隔世の感があります。
いま、ドラマにお金をかけ、正真正銘豪華キャストといえるのは、日曜九時のTBSと、木曜九時のテレビ朝日くらいです。
逆に、ピンポイントで、ツボをついてくるのが、テレビ東京で、この間書きましたが、「昨日、何食べた?」などは、その最たるものです。
西島秀俊に内野聖陽という、大河ドラマの主演級ふたりに、脚本安達奈緒子、BRAHMANのトシローが主題歌という、鉄壁の面子を、金曜日のド深夜にぶちこむという力業で、ドラマそのもののクオリティも、今期ダントツです。
こういう企画は、昔のフジテレビの専売特許でした。残念ながら、いまのフジには、そういった時代を切り開くような、次を先取りするようなものは、皆無です。坂元裕二や、古沢良太といった、優れた脚本家の作家性に依存したものだけは、光っておりますが。
TBSは、次の日曜九時に、大泉洋を主演にもってまいりました。連ドラで主演というのは、いつ以来でしょう?
共演は、松たか子に上川隆也、そして中村芝翫!これが豪華キャストというものです。しかも、全員主演クラス。さらに、いいひとキャラが、圧倒的に多い上川隆也を、あえて悪役で使う。しかも、五月雨的に、他のキャストを、随時発表しており、まだまだかくし球がありそうです。これは、間違いなく化けます。
いまのフジドラマでは、逆立ちしても無理でしょう。何せ、重石となる役どころには、遠藤憲一か渡部篤郎が、かわりばんこに出ているようにしか、見えないのですから。