「ストロベリーナイト」の原作を、私は、読んでおりません。ですから、今回と前回、どちらが原作に忠実なのかも、知るよしもありません。
一つだけ、間違いないのは、たった今、放送されたものは、前作とは比べようもないほど、無残なクオリティだったということです。
前作は前後編、今回は一回のみですから、事件の描写は淡白になります。前回丹念に描かれたものが、すっぽりなくなり、いきなり容疑者が取り調べられます。
なぜ、その人物に行き当たったかも、あまりにも唐突でした。紆余曲折が何もない。
前作をトレースする必要はありません。しかし、この脚本は、事件そのものをすっ飛ばしているに等しい。
要するに、ヒロインである、姫川玲子の過去のことがメインであり、本来の話の中心になるべき、薬物のことから始まる、実に良く出来た展開は、脇に追いやられてしまったのです。これでは、ラストの姫川の怒りの元が、何だかわかりません。
竹内結子バージョンでは、ネットゲーム、ふたつの暴力団の縄張り争い、ゼブラという、違法薬物、ガンテツとのいさかいと、部下の悲劇、浮かび上がる容疑者と、捜査の誤算、そこから、さらにツイストがあり、ようやく真の容疑者にたどり着くのです。
これが、見事にない。
もう一度書きますが、二階堂ふみは、健闘しています。しかし、このしよーもない脚本では、どうしようもありません。
もし、今回のエピソードに、感銘を受けたなら、是非、是非、前作をご覧ください。そのクオリティの差に、愕然とするでしょう。
渡辺いっけい扮する管理官の、「始末書、やり過ぎなんだよ、」の意味を、堪能してください。