鄭義信さんといえば、数々の秀作を残している脚本家ですが、初の監督作品として、御自身の舞台、「焼肉ドラゴン」を映画化いたしました。
これ、まさか、とっぱじめに、大きな伏線が隠れていたとは、さすがに気付きませんでした。
大阪万博の頃の、伊丹あたりが舞台で、時代から取り残されたような、バラックだらけのなかに、片腕の、在日の主人が営む焼肉屋があります。
主人には、三人の娘と一人息子がおります。その三人の娘を、真木よう子、井上真央、桜庭ななみが演じており、井上真央の旦那が、なんと大泉洋です。
この大泉洋が、実にいい。生粋の北海道人の大泉洋が、北がルーツの在日を演じるのですが、今まで見たことがない、大泉洋です。
いま、彼は、俳優としては、恐らく殺到しているであろう、テレビドラマのオファーを断り、完全に映画にシフトしておりますが、もう立派な、トップクラスの役者になりました。
彼は、テレビ出演は、映画の番宣と割り知っているので、未だにお調子者のタレントと思っている方々が多いのですが、役者としての彼は、一級です。
三姉妹も素晴らしいのですが、特筆すべきは、父親を演じる、キムサンホです。韓国の俳優ですが、これはただ者ではありません。
どういう経歴の方かは存じませんが、相当の名優と感じました。
土地の区画整理により、焼肉屋の一帯は、元々国有地だったため、全て取り壊されてしまいます。そして、家族も散り散りになります。
しかし、しかし、日本からも、祖国である韓国からも、蔑ろにされる彼らは、それでも生きていかなければなりません。例えそれが、どこの国でも。
是非、是非、ご覧ください。