悉く、冬のドラマから、見きりをつけております。どうにもこうにも、付き合いきれないというのが、ほとんどです。

そこに、こんなドラマが始まりました。

「後妻業」。黒川博行さんの小説のドラマ化で、主演は木村佳乃と高橋克典。かつて、大竹しのぶと豊川悦司で映画化されており、私は、そちらも見ております。

そもそも、この作品を、テレビでやるには、色々無理があります。映画の監督は、鶴橋康夫さんですが、元々テレビの演出家で、数々の問題作を作っておりました。

だから、かなりの部分で制約がとっぱらわれた映画では、やりたい放題やっています。それが成功かどうかはともかく。

「後妻業の女」は、ブラックユーモアに溢れた作品でした。大竹しのぶと豊川悦司という、くどさでは突き抜けているコンビが、実に楽しそうに演じており、何より愛などというものは、欠片もありませんでした。そう、殺される爺さんの身内も、ほとんどは親のことなど、心配などしてはおりません。要するに遺産、お金です。

それが、ドラマでは、木村多江と伊原剛志も含めた、愛がどうしたとか、と、謳い文句がありました。

案の定、何もかもユルい。後妻は当然ながら色仕掛けなわけですし、じいさんのほうも、つまるところ、遥か年下の女性に引っ掛かるのは、助平心です。

そこを、避けてドラマを作られれば、極めて陳腐になってしまいます。しかしそれは、いまの日本のテレビドラマでは、無理です。

すなわち、題材そのものが、テレビドラマ向きではないのです。当然、脚本も弱い。

木村佳乃に高橋克典というのは、映画に比べれば弱いのですが、悪い組み合わせではありません。しかし、この脚本では、弾けようがありません。

私は、次はありません。

※同じ黒川博行さんの原作でも、「破門」は、映画よりも、スカパー!が、断然よかったのです。

それは、北村一輝と濱田岳というコンビが抜群で、佐々木蔵之介と横山裕という、ネイティブな関西コンビであろうと、全く敵ではなかったのです。

ヤクザを演じた、北村一輝のはじけかたが、尋常ではなかったからです。そして、何より脚本が良かった。

題材しだいではありますが、脚本がちゃんとしていれば、テレビドラマが、映画を凌駕することもあるのです。