「あにいもうと」、良いです。

私がかつて見たのは、草刈正雄と秋吉久美子のきょうだい、頑固な父が、大滝秀治という、鉄壁のキャスティングの映画で、当時、二枚目の最たるものだった草刈さんが、とても健闘していたのを覚えています。

今回、脚本を、山田洋次監督が書いているのですが、さすが、というほど端正な作品に仕上がっています。

山田さんは、大泉洋に、若い頃の渥美清さんを感じたと、あの!石井ふく子プロデューサーが仰っておりましたが、大泉洋は、物真似ではなく、渥美清さんを意識しておりました。いつもの剽軽な大泉洋ではなく、眼光は鋭く、無学で粗暴でありながら、妹を心から愛する兄貴を、熱演しておりました。

渥美さんは、当たり前ですが、イコール寅さんではありません。その事は、渥美さんに接した人達は、みんな言っております。怖い人と表現したかたもいるほどです。

そういう一面のほうを、大泉洋は意識して演じていると、私は、感じたのです。

「焼肉ドラゴン」も、極めて評判が良いようです。すでに、確固たる地位を築いた大泉さんですが、今年は、さらに評価が上がると確信いたしました。

何か賞をとるかもしれません。

※母親役の波乃久里子さんは、さすがです。江戸っ子の佇まいというものは、生まれつき持っているひとにはかないません。

痛感したのは、枯れた味わいの職人を演じられる方が、ほとんどいないということで、今回の笹野高史さん以外だと、伊東四朗さんくらいしか、思い浮かばないのです。

同じ世代だと、高橋英樹さん、北大路欣也さん、里見浩太朗さん、

みんな全然枯れておりません。