前作、「オリエント急行殺人事件」は、スターの豪華さに拘りすぎたきらいがあり、私は、感心しませんでしたが、「アクロイド殺し」、改め「黒井戸殺し」は、やってくれました。
私の世代は、「アクロイド殺人事件」というタイトルで覚えております。私も、アガサ・クリスティの小説は、「オリエント急行殺人事件」しか読んでおりませんが、クリスティで、もうひとつといえば、「アクロイド」です。しかし、私も、予備知識が全くありませんでした。だから、純粋にドラマを楽しみました。
それでも、後半にさしかかったあたりで、犯人の目星はつきましたが、これは、相当なものでした。盲点です。
前作では、野村萬斎さんの、オーバーアクトが、鼻について仕方なかったのですが、今回はギリギリのところで留まっており、エルキュールポワロ、いや、勝呂武尊が、名探偵らしくなっておりました。
共演者も、三谷組の方々がほとんどで、大泉洋、松岡茉優、吉田羊、藤井隆、斉藤由貴、遠藤憲一、今井朋彦など、「真田丸」チーム中心で、気心が知れていると申しますか、安心して見ていられます。
ラストも憎い。犯人が、どういう道を歩むかを、わかっている上で、あえて当人に委ねます。その時の、野村萬斎の表情が、実にいい。それは、最も残酷なのですが、その道しかなかった。その苦い思いが、伝わってまいります。
「黒井戸殺し」、ぜひ、ご覧ください。