ネットで、なぜテレビがつまらなくなったかが、書かれておりました。

クレームがひどく、しかも巧妙になっており、監督官庁まで、素人が普通に電話やメールを入れるのだそうです。

クレームは、来ます。本当に来ます。

遠い昔、私がテレビの制作現場にいたころですから、30年も前ですが、視聴率5%の東京ローカル番組でも、クレームが来ました。

その時、先輩に言われたのは、自分はアルバイトで、責任者は帰っていないと答えろ、ということです。

そもそも、私たちは下請けでしたから、なんの権限もないし、ペーペーのADが、迂闊なことを言えば、大問題になる。だから、わからないで押し通せ、です。

ペーペーの外部ADなのは、事実なのですから、その通り答えると、電話の主は、嘘をつくな、逃げるのか?と、また怒るのです。

いや、逃げていません。本当ですと、答えても、このての人達は、他人のいうことを、そもそも信用しておりません。

だから、同じ会話が、延々繰り返されるわけです。

その時思いました。この人たちは、何がしたいのだろうと。

番組の内容に対するクレームなのですが、一円の得にもなりません。それでも、何回も何回も、クレームを続けるのです。

はっきり申します。テレビ屋は、カタギではありませんでした。

歌舞伎町でロケをするときは、必ずその土地の、その筋の方々に挨拶に行きました。

芸能事務所の裏のオーナーが、そちら側の人ということも、多々ありました。そうでなくては、興行など仕切れなかったのですから、良い悪いではなく、仕方のない事だったのです。

私がいた会社も、普通にそういう方々が出入りしておりました。けれど、そういう方々が、うちの社長には、一目置いておりました。

そういう人達が作っていたからこそ、破天荒な面白いものができたのだと思います。

某局のプロデューサーなど、会社のデスクにドスが入っていると言われておりましたし、うちの社長は、そのプロデューサーと、義兄弟の盃を交わしているとまで言われておりました。

そういう方々に、道徳を求めれば、それはつまらなくなります。良くも悪くも、そういう世界だったのです。

それが、頭だけはいい、エリートの方々か、もしくは、どう考えてもコネだろうという、芸能人や政治家のご子息が、続々と入社し、テレビはおかしくなりました。

そこに、コンプライアンスなるものまで出てきては、そりゃテレビはつまらなくなります。

そもそもヤクザな世界に、カタギの理屈を求めてはいけないのです。

そういうものです。いやなら、見なければいいだけのことです。

一度書きましたが、「あんたのうちにはチャンネルがないのか?そんなにいやなら、チャンネル変えろよ。俺たちがあんたに、うちの番組を見てくれと頼んだか?」と、クレームに言い返したプロデューサーは、実際にいたのです。

今なら、ただではすみませんが。