遅蒔きながら、あの、「踊る大捜査線」の君塚良一さん脚本、監督の、「遺体 明日への10日間」を観ました。

東日本大震災のときの、遺体安置所のお話で、主演は西田敏行さん。舞台は釜石ですが、西田敏行さんは、あの福島出身です。その渾身のお芝居、いや、演技と言うべきではないでしょう。それくらいの熱演です。

葬儀屋を引退した彼は、ボランティアで安置所を手伝います。それは、遺体を死体としか扱わない、現場の方々に憤りを感じ(状況からいって、仕方ないのですが)、心をこめて遺体を弔ってまいります。

市の職員や、消防団も、次第に彼の熱意に気持ちを動かされ、遺族たちも徐々に変わってゆきます。

この映画では、西田敏行さん以外は、五十音順にクレジットされますが、これがとにかく豪華です。

佐藤浩市さん、柳葉敏郎さん、緒形直人さん、筒井道隆さん、國村隼さん、沢村一樹さんなど、恐らくはこの映画の趣旨に賛同し、出演したのだと思います。

大震災のシーンはありませんが、おびただしい数の遺体は出てまいります。妊婦も、お年寄りも、子供も。直接的な描写は、極力抑えてはおりますが、出さないわけにはまいりません。

映画の全編に感じるのは、なんといったら良いのでしょうか、凄く表現しづらい君塚さんの思いです。

自然に対して人間は無力です。しかし、あのような絶望的ななかでも、生きていかなければなりません。そして、人間をちゃんと弔うことのありがたさと、微かではあっても、希望を感じるラストになっています。

行政や国への怒りを声高に訴えることもありませんが、言い知れぬ無情感が描かれています。とにかくご覧になることをお薦めします。



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