私は田舎者です。

東京には学生時代と社会人として、足掛け七年ほどおりました。

自分の故郷に帰り、家業を継ぎ、迷いながらも数十年経ちました。

若い頃であれば、都会が恋しくなり、出張で東京に行けばずっとここにいたいと思ったものですが、

歳を重ね、結婚し、家族が出来ると、逆に田舎の方がしっくりきてしまいました。たまの出張でもどっぷり疲れてしまいます。

ただ、最近は妙に達観してしまった、と言いますか、昔であれば、自分が田舎者と見られるのが嫌で嫌でたまりませんでしたが、

所詮どこまでいっても、私は田舎者である事に変わりはありません。

逆に、私は仕事上一般のかたと接する事が多いのですが、

こちらが聞きもしないのに、「実は、数日前に東京から転勤で来たばかり」だとか、自分の素性を言いたがるかたほどろくな格好をしておりません。

先日など、私の地元の近隣の大都市から来たと言い、「こちらの人は、普段はどういう格好をしているのですか?」などと聞いてまいりました。

変わりゃしねえよ。北海道と沖縄じゃあるまいし。

私の目には、都会暮らしをひけらかす連中ほど、田舎者にしか見えません。第一、私自身、どっぷり田舎に染まった今の方が、遥かに東京に詳しくなっているくらいです。

一歩引いた方が、人間は物事が何においても見えるものです。