障害者扶養共済についての続きです。
親なき後、子どもが終身で月二万(二口入っておけば4万)もらい続けられる、という素敵な生命保険です。
うちのパパが加入しました!
調べたところ、重度知的障害のある人って障害年金+作業所の工賃で、施設やグループホームの家賃や食費等は大体賄えるっぽいんですよね。
医療費も基本ただ。
日本の福祉、素晴らしい!!
けど、ちょっと遊びに行く、ちょっとしたものを買う、スマホを持つ……
そういう余裕はなさそう。
自分の子どもが将来、ギリギリ生きてはいけるけど、欲しいものがなにひとつ買えないような不自由な暮らしになるのかも、と思うと……
月二万のお小遣いがあれば、できることの幅が広がるだろうな、と思うわけです。
しかしですね。
この共済に加入していいのか、ものすごく悩みました。
ちょっと間違えると、大金を支払ったのに娘が一銭ももらえない可能性がありそうな気がして。
もらえない可能性がありそうなのは、↓のみっつのパターン。
①途中で保険金の支払いが滞る
②親が死んだ後、手続きしてくれる人がいない
③子どもが親より先に死ぬ
詳しく説明してみます。
①途中で保険金支払いが滞る
扶養共済の資料にはこう明記されています。
『掛金を2ヶ月滞納した時は脱退となります』と。
待って。2ヶ月って。
厳しすぎないですか
ちょっと通帳残金の確認忘れたら、2ヶ月なんてすぐですよ。
2ヶ月支払いがされなければ、それまで支払った額は全部パアになるようです。
※一応、脱退すると脱退一時金がもらえる。けど20年払って15万とか……金額悲しすぎ…
②手続きをしてくれる人がいない
これが我が家が加入を迷った一番の理由です。
聞いた話によると、民間の保険では保全義務というのがあり、1年に一度は加入者や年金受取者の生存確認をするものらしいんです。
ところがおそらく、この共済はそういうのがない。
誰かが共済窓口に
“親が死んだんで、支払いを開始してください”
と伝えなければ支払いはされない。
誰が?
障害者本人?……無理に決まってんじゃん
障害者の兄弟?親戚?……そういう人がいなければ?
暮らしている施設の人?……やってくれるものなの?
誰かが娘の為に“支払って”と言ってくれなければ、親が支払った350万〜550万円の掛金が全て無駄になる!?
“親(加入者)が死んだあと誰も連絡してこなかった場合どうなるのか”
“共済は親(加入者)が死んだと知れる仕組みはあるのか”
共済窓口の人にも質問したけれど、答えは返らず。
加入者に何かあればお知らせを、の一点張り。
……これって障害者の為の共済として、ものすごい欠陥じゃないでしょうか?
③親より子が先に死んだ場合
これはしょうがない部分ですね。
でも知的障害のある人はそうでない人より平均寿命が短い。このことをよぉく考えて、覚悟しないといけないですね。
※遺弔金というのが支払われるらしいけど、こちらも微々たる額……
というわけで。
この共済に入っても娘がお金をもらえない可能性は大いにあるな、と感じたわけです。
それでも悩んで悩んで。
結局、我が家が共済に入ったのは……
家計に余裕がある!
きっとどうにかなるさっ、という精神!
障害者扶養共済がもっと広まって、もっと使いやすくなって欲しい!
……という理由ですかね
家計に余裕がある、とか書くと石を投げられそうですが。
余裕がない人は入っちゃ駄目な保険だと思うんですよね。
支払った分は返ってこないと許せない!
損したくない!
と考えてる人は向いていなそうです。
生活保護もらってる人、住民税非課税の世帯は優遇措置があるようなんで、検討の余地ありかもしれません。
そしてどうにかなるさっ、というのは。
未来はどうなるかわからないけど、きっと娘のことを誰かに託せるだろうという希望です。
扶養共済のことに限らずね。
それに前に記事に書いた後見人さんもいつかはお願いするつもりなんで、きっと任せられるでしょう。
そしてですね。
この障害者扶養共済がもう少し使いやすいものになってく為には、もっと認知度が上がり、多くの人が加入しないとって思うんです。
この扶養共済の一番の価値は、障害ある子どもを持つ親の将来への不安をすこぅしだけ軽減させてくれることかなって思うんです。
扶養共済に入ってるから、子どもは親が死んだ後も二万はもらえるんだ!
子どもの将来の為に、親としてできる事をしてる!ていうね……
公共しかできない、価値ある制度だと思います。
障害者扶養共済がもっと良いものになりますように。