2024年10月25日(金) 15時半過ぎ、私は車を駐車すると一呼吸置いて自宅に入った。


そしてお犬様が待っているだろうリビングの窓際に駆けつけるとそこには呼吸が止まり目と口を開けて硬直しているお犬様の姿があった。

閉じてみようとしたが無理だった。


私はすぐさま長宗我部に電話をしながら、数日前から準備がしてあった氷の入ったカップをタオルに包んでお犬様の周りに置いた。


この日が来るまでの数日間、過ぎてしまえばほんの数日間になるのだが、毎日、家族の中で誰よりも先に1人で生存確認をするのは想像以上にダメージがあった。それを殿にさせなくて良かったとは思っているが、頭ではわかっていても目の前に生死を突きつけられるのはなかなかキツイものだった。


でも、死んでいるお犬様の姿を見た時、やっと楽になったんだと思いながらも、いつものようにそこに眠っていて欲しかった自分がいた。

彼が眠っている姿にどれだけ救われていたことか。

失った瞬間に思った。


きっとその日が最後になると思った出勤前の朝、殿と二人で最後のお水をあげて

『行ってくるね。もう待っていなくていいよ。

待っていて欲しいけど、でも、もういいんだよ。たくさん頑張ったね。ありがとう』と声をかけて自宅を後にした。


硬直具合からして、私達が家を出て1,2時間以内にこの世を去ったと思われる。


いつもの朝のように3人を見送ってから彼は旅立った。誰にも看取られることなく。


そんな最後に悲しくもなるが、お犬様はきっと私達がいるとなかなか死に切れなったのではないかと今は思っている。


だからきっといつも通りの朝だった。


先日テレビを観ていたら懐かしい音楽が流れてきた。


ユニクロのCMだったのだが、そこで流れていたのはサザンオールスターズの『melody』。


聴いた事はあるが、その存在をすっかり忘れていた。聴いたとたん、あまりの懐かしさにまたもや手で口を抑えてしまうほどの悶絶。



ところで、私の実家ではサザンを聴くことがあまりなかった。その理由が父アキラがボーカルの桑田佳祐の歌い方が嫌いという理由だった。


お父さん子だったビブ子は

うんうん、そうか。確かにそうだな。


と、わかってるのか、わかってないか、とりあえず影響を受けて、あまり聴く事はなかった。


月日は流れ、中学生ぐらいだろうか。

朝の情報番組のエンディングが何かで

『希望の轍』が流れてきた時は衝撃的だった。

その後、ドラマ『Sweet Season』での松嶋菜々子の「後藤さん!!!」が記憶に残る『LOVE AFFAIR ~秘密のデート~』でも再び衝撃を受けた。


と言うか『愛の言霊』もなんじゃこりゃー!だったし、歳を重ねる事になぜか好きになる『真夏の果実』。と語り出すとキリがないぐらい気に入ってるいる曲がある。


で、話は戻って、この『melody』。

1985年にレコード!!!で発売されたものだが、この曲を聴いて確信した。

父アキラはただただ桑田佳祐の才能に嫉妬して、歌い方が嫌いだのどうのこうのと言っていたのだと。

彼は天邪鬼で負けず嫌いなので、当時既に売れていた彼らが面白くなかったのだ。


なぜそう思ったか。

父は今年84歳になった。


元気な方だとは思うが、ここ数年、痴呆と言うかボケが強くなってきていて、今まで理性で抑えたいたものが、抑えきれなくなっている。(そもそもそんなに抑えれてなかった気もするが)

よって日頃から彼の本質が今まで以上に如実に現れているのだ。

それでも私の前では毅然とした父でいようとして隠そうとしているけど。


そんな彼はねたみひがみ、負けず嫌い、の塊でしかない。


と、仮説を立ててみた。


真実かどうかはわからないけど、でもたぶん半分ぐらいは妬み、僻みだと確信している。








少し前に近所の映画館で『恋する惑星 4Kレストア版』が期間限定で上映していたので観てきた。

日本初公開は1995年で私はたぶん高校生。


その当時はこの映画を観ることはなかったのだが、CMで観たのか、はたまた高校卒業後に出会った友人の影響からか、この映画の知識だけは持っていた。


出演者、主題歌、挿入歌など。

金城武が出てるとか、フェイウォンがベリーショートだとか、トニー・レオンがかっこいいとか。

挿入歌にもなってるフェイウォンが歌った『夢中人』(クランベリーズのDreamsのカバー)は同世代の人なら一度は聴いたことがあるのではないだろうか。『夢中人』は時々思い出したように聴いたりもしていた。


これだけ興味を持っていながら、四半世紀、ついぞこの映画を観ることはなかった。


それが遂に28年の時を超えてまさか映画館で観る日が来るとは誰が思ったただろうか←大袈裟


つづく