舞台「ノスタルジアの贖罪」24/07/07 昼公演 感想 | イベント参戦日記

イベント参戦日記

イベント参戦日記出張版(mixiとほぼ同内容)

@池袋シアターグリーン BIG TREE THEATER

Altairチームの千秋楽でしたね。
 

---------------------------------------------------
あらすじ

幽霊には三つの種類がある。
一つ目は『守護型幽霊』
二つ目は『認知型幽霊』
ちなみにこの認知型は『個別認知型』と『汎用認知型』に分かれるんだが……。

とある大学の講師である小野寺真一。
彼は自身が担当する「幽霊行動学」の授業で教鞭を振るっていた。

そんなある日、彼のもとに一冊の本が届く。
それはRIOG(Representation items of ghosts)。
つまり幽霊からのメッセージだった。

RIOGにより、目の前に広がる、故郷の村。
遙か昔に廃村になり、もう存在しない故郷の村。

「このRIOGを送ってきた幽霊は、村にゆかりのある人だ。
俺に何かを伝えたいに違いない」

そして真一は、そのメッセージの謎を解き明かすべく
今は無き故郷に向かった。

それが惨劇の始まり。

あの日、村を出た仲間たちは知る。

あの日、村で起きていた真実。
あの日、あの道で起きていた事件。

あの日、あの村で何が起きていたのか。

何も知らなかった。

何も知らずに、生きてきてしまった。

それこそが、彼らの罪に他ならなかった。

空想嬉劇団イナヅマコネコが渾身の再演でお届けする
作品No.2

吹き荒れる死と憎悪が
真実の儚き愛を浮かび上がらせる
ダークファンタジーミステリー
---------------------------------------------------
キャスト

学習院ひろせ:小野寺真一
清水梨夏:有馬愛

樫村みなみ:近衛紗耶香
星乃まみ:雨宮さくら
櫻井太郎:梶本一平
日野一七:二宮士郎
七海佑衣:二宮理子

斎藤未来:相澤愛花
青山雅士:稲葉亮
葉山奈穂子:有馬京子
まついゆか:鮎川姫子

寶雨直人:過去真一
千葉心弓:過去愛
河野亜季子:過去さくら
早川宏輝:過去梶本
菊間悠里:過去亮
福井渓友:過去士郎
藍星良:過去理子

喜多村次郎:小野寺元
小栗銀太郎:二宮五郎
杉乃前ネイティ:秋本操

---------------------------------------------------
こっからTwitterに載せた感想を転載。


感想ツイートを見て先入観があるのは多少あるのだけれど、Vegaから先に見ましたけど今回のAltairは髪型とか背格好とか含めてもVegaより初演に近い雰囲気を感じました。イナネコさんってWキャストが単純に役者が倍なだけじゃなくてたぶん演出もチームによって変えていてその差も面白いですね。
---------------------
ひろせさん(真一)
イナネコのザ・主人公。ひろせさんの真一は見事でした。ゴーストファンの付録持ってる操を最初に見たときのようなコミカルなリアクションも良いのですが、切なさを爆発させるシーンは良かった。

清水さん(アリア)
顔小っさ。声の出し方がアリアっぽくて良くて、でもおしとやかな中に不思議な雰囲気を出していて、アリアの死が分かったときに顔を上げたときの「あちゃー」からがめっちゃ良かったです。

樫村さん(さやか)
初演の匂いのするさやか像。可愛くて知的な感じが素敵でした。

星乃さん(さくら)
ツンデレ台詞であったり快活な感じであったりさくらにピッタリだなと感じました。

櫻井さん(梶本)
今までで1番オリジナリティのある梶本(演出かもだけど)で台詞の区切り方とかリアクションとか面白くて良かったです。

日野さん(士郎)
初演の気怠い感じというかイライラ感がよく出てて良かったです。あれが強ければラストの「面倒くせぇなぁ」がより良いなぁってなるので。

佑衣さん(理子)
ノス罪は理子の作品だと思っているのですが、今回の理子のインパクトも十分。よくよく考えれば佑衣さんの理子って100分過ぎたあたりで登場するのに印象に強く残る。ただ今回の理子には狂った感じだけではなく慈愛の感じがあったなぁと思っていて。佑衣さんの色んな意味での経験値や技術が増しているんだろうなというところも感じました。界王拳10倍で限界だったのに修行して20倍使っても疲れなくなった悟空、的な(分かりづらい例え)

斎藤さん(アイアイ)
こちらもなんとなく初演の流れを意識したキャラクターになっていたのかなと思いました。そんな中でもミキティさんの元気な感じがアイアイをパワーアップさせていました。

青山さん(亮)
イナネコでは主役まで務めた経験のある青山さんが負け役ともいえる亮なのはちょっと新鮮でしたが合っていて良かったです。安心感ありました。ナルシスト風味はVegaと同じ感じだったので今回の亮がそういう演出なんですね。

まついさん(あゆちゃん先生)
まついさんのあゆちゃんはちょっと精神年齢高めでVegaとは違ったあゆちゃん像面白くて良かったです。また、今回ナイフのシーンではたぶん唯一ガシガシ相手に当てていたまついさん。そのおかげでそのシーンの説得力が増して良かったなと感じました。

葉山さん(京子さん)
お母さんお母さんしているのに英語だけは教えないでねのくだりのツッコミの勢いがめっちゃ良かったです。

小栗さん(五郎)
イケオジな役柄のイメージが強かったので五郎どうなんだろ、と思っていたんですが優しい雰囲気を強調して演じられており、その分虐待シーン、倒されるシーンに良い感じで繋がっていました。

喜多村さん(元)
堀さんの印象が強かった元ですが喜多村さんなりの元が良かったです。なかでも崖をダンボールそりで降りるところは堀さんとは違うベクトルで可愛さが出ていて良かったです。声も太いので父感も強くて良かった。

ネイティさん(操)
ネイティさんのまくしたてる?感じは今までは母親の驚き、みたいな感じのシーンで多かったけど今回は過去から返ってきた真一やアイアイと会った時の動揺や、亮の昇天に始まる屈指のコミカルシーンでも大活躍だった。
そもそも出演シーンも多く、こういう引き出しもあるんだ!となりました。

寶雨さん(過去真一)
良い感じで青春アニメの主人公っぽくてとても良かったです。

千葉さん(過去アリア)
透明感すごい。vegaの時も似たこと書いたけどアリアが清純清楚であればあるほど死んでしまうシーンが引き立つので抜群の存在感でした。

河野さん(過去さくら)
さくらの素直な気持ちを上手く出せず普段の振る舞いをしてしまう感じとか良かったです。

早川さん(過去梶本)
歳の近いお兄ちゃんという感じで爽やかな感じが良かったです。

菊間さん(過去亮)
お調子者感が少し増している気がして、そういうところが特に良かったです。だから理子を助けるシーンもより印象に残るなぁと。

福井さん(過去士郎)
良いですねぇ。姉が父を手にかけたシーン、火事のシーン、その辺の恐れの表現が豊かで迫真というんでしょうか、どんどん大変なことになっていくという感じが出てて良かったです。

藍さん(過去理子)
佑衣さんのところでも書いたけど理子って作品の核だと思うのでとても大変だとおもうんです。きっとそれが声に出ていたのかなと思いますが、父を手にかけて以降の豹変が本当に素晴らしかったです。
---------------------

イナネコさんで1つ残念なことがあるんです。
観劇に体力いるんです(笑)
他団体とかで90分コメディとかなら空腹でも多少寝不足でも楽しめるんだけど、イナネコは体調整えていかないと体力持ってかれそうで笑
今週意外とバタバタしていて夜勤明けでは行けないのでどうしようと思っていたんですがなんとか両チーム観ることが出来て良かったなと思います。
でもその観劇に使う体力が、135分観終わったときに非常に心地良い疲れなんですよね。舞台観たなぁ、って感じで。

ドラマとかでも喧嘩して声荒げてるカップルを喫茶店で誰も見ていないとか、逃げる犯人を追いかけてる刑事以外の通行人がみんな同じ方向向いてて犯人見失うとか、そんなわけないやろっていう細かい違和感見つけるとそこが気になってしまって。
イナネコ作品にはそういう細かい違和感がほとんど無いなとふと思って。そういうところもイナネコ作品好きな理由なのかなと思ったりもして。
湊かなえさんが以前小説の登場人物の履歴書書くって言っていたのですが、なんていうかそういう感じの、キャラクターの行動や台詞に無理がないというか。


あ、それで1つだけ思い出しました。梶本がアリアを轢き殺してしまったことを知ったさくらの台詞。「人殺し、、」あれだけ少し違和感はあったかも。なんとなく人殺しって第三者に言う言葉のような気がしていて(言った経験ないけど)あんなに慕っていた身内的な存在にそういう言い方をするかなとは思いましたが、そもそもそんな2人が揉み合うような異常事態だし気が動転しているような状況で正気ではいられないからこそなのかもしれない。
他の方がどう感じたかは分かりませんが。
---------------------
その他の感想。

・当日パンフに過去理子の欄が追加されていた。

・操の「死にますよ、たくさん」って今まで(たくさんの人が)ってことだと思っていたんですが(あなた何度も死にますよ)ってことだったんだなぁ。今日気付いた(笑)

・死は勿論そうだけど愛も大事な要素で。
初めて出来たと思っていた友達が簡単に自分の前から(不可抗力だけど)いなくなってしまった理子。そんな理子に殺されかけたものの最後は理子を助けようとする士郎。そして京子やあゆちゃん、亮。
アリアだって死んでもなお真一が心配で守護型になるくらい愛していたし。
今までそのアリアと真一の関係性にばかり目がいっていたけど、よく考えたら真一と昔の女との関係の中で(自分も悪夢に入りこんでしまったとはいえ)何度も死んでもなんとかしようとするさやかの愛に泣きます。
アリアが良い、と思っていたけど、さやかもいい!
愛されたい!!



以上。