<ネタバレ有>舞台「ピンクパンサーにご注意を」23/05/05 昼 感想 | イベント参戦日記

イベント参戦日記

イベント参戦日記出張版(mixiとほぼ同内容)

@シアターKASSAI

---------------------------------------------------
あらすじ

-全員、誰とも結婚させない-
そして
-全員、誰かと結婚したい-

夢追い人か
はたまた
夢老い人か。
前代未聞の婚活バトルロイヤル

---------------------------------------------------
キャスト

吉田翔吾:鳥居スバル
稲村梓:以蔵流々[イゾウ ルル]

松木わかは;赤野亜科[アカノ アカ]
中野裕理:芥川茶々[チャガワ チャチャ]
結城美優:鳥居カナデ

土田卓:足蹴修斗[アシゲ シュウト]
齋藤伸明:二瓶平三郎
野口オリジナル:一刻太郎[イッコク タロウ]
遠藤翔平:算橋源吾[カゾエバシ ゲンゴ]
乙木勇人:肩乃土門[カタノ ドモン]

立沢萌々瑚:カゼノナカノアナタ
木村玲子:笠原美優
萬海歌:花音鹿子[カノン カノコ]

木原実優:ウッチャン(雨牛桃子)
高田淳:チャールズ・リットン卿

---------------------------------------------------

簡単に言えば作品に選ばれなかった者の感想です。
読んでいただけるのであれば、そのつもりで読んでください。

たぶんメディリリ(中野さん)の作品で婚活モノということでなんとなくENGさんのロスト花婿の結婚前版
ワンシチュエーションコメディみたいなのを想像していました。
まぁ確かにあらすじ通りと言えばそうなんですが、このあらすじでこの話想像できる人いるんかなって感じの話でした。

秘密結社ピンクパンサーが囲う才能のある女性たち。女優、作曲家、作家。
ピンクパンサーを存続させるためにも彼女たちに跡継ぎを作ってほしい、そのために暗躍するリットン卿たち。
そんなドタバタコメディかと思いきや、ルルがスバルを愛してしまい結婚したいと思うようになるが
スバルにはある約束があり結婚することは出来ないと告げる。それでもあきらめられないルルはウッチャンの力を使いスバルと一緒になる。

そこで一件落着、とはならずここからスバル側のエピソードが語られる。
実はスバルもルルと昔出逢っておりその際に恋をしていた。そのときアカと結婚したスバルは別れるときにもう誰とも結婚しないと約束した。
愛する人を思うが故に結婚できないと思い込んでいたルルだったが実際はアカとの約束でルルが好きなのに結婚できない
そんなスバルから愛する人との記憶を奪って一緒になることを力によって手にしていたルル。
それによってスバルにはルルとの思い出の記憶が別の記憶に書き換えられており、他人の記憶を話す妻ルルとの生活が耐え切れず死を選んでしまう。

しかしそれから数十年後、日本沈没レベルの隕石衝突が起こりルルやアカ、チャチャが一人でいたスバルの元へ。
数十年の時を経てスバルとルルは結ばれるのだった。

みたいな。

---------------------------------------------------

勿論終盤は真面目展開になるだろうけど、コメディのつもりで来てしまっていたのでリアクションの初動が遅れたのもあるけど
全員で台詞を言う、舞台らしい演出。これが正直この設定の作品に合っているのかなとか思っていたりして。
2時間15分の作品で、疑似カーテンコールみたいな前半終了部分までが1時間15分程度だったと思うのですが、
そこまでの展開がしっかりコメディしながらシリアスもしてハッピーエンド(ではないけど)っぽく終わっていたので
その後の1時間が蛇足とか思わなかったけど間延びした感じはして。まぁスバルパートがないと終わらないのはわかるけど。
表では良い奴っぽかったのに裏側パートで本性がさらけ出された足蹴やゲンゴのあたりは良かったけど
力を手にした足蹴があっさりと何も描かれずに力に負けてしまったり。え、引っ張った割に?みたいな。
なんというか個人的な違和感が積み重なってしまって、あれよあれよでクライマックスなのですが
そのクライマックスが一番共感できなくて。数十年後スバルに墓の下で再会したルル。
2人の子供に恵まれて幸せに暮らしたと言った直後にスバルに愛の告白して「軽口たたくならスバルがいいわ」みたいに言ってみんなに祝福されるみたいな。

え、隕石激突ってことは子供も旦那もおそらく同じタイミングで天国きてるのにスバル選ぶの??みたいな。
旦那も子供も愛で言えばスバル以下ってこと?

いや、正直結局この作品に選ばれなかったというのも、僕の人生経験の浅さがあるんだと思うんです。
作品自体は快作だと思うんです。たとえば結婚したことある人や大失恋をされた人とかにはめちゃくちゃ刺さる作品なんだと思うんです。
だからきっとあそこで最後にスバルを選ぶことに感動する人もいると思うんですが、僕にはまだそれが理解できなかった、ということなんですよね。
終わり良ければすべて良しだと思っているので、いつも大体良い作品観たなぁ、と思うんですが
その最後が納得できなかったのでその印象が強くなってしまった、のかな。

---------------------------------------------------

役者さんたちのお芝居は凄く良くて。

吉田さんは観に行く作品に最近よく出ていらっしゃって、ただ好青年みたいな感じのキャラクターが多い方だなぁという印象で。
でも今回喜怒哀楽、感情を爆発させるお芝居が多くてこの方こんなに凄かったんだ!みたいな。失礼ながら。凄かったです。

稲村さんはおそらく初見ですが顔立ちがハッキリされているので表情映えもしますし、声が素敵でよく通る。
だからこそルルの感情が動くシーンなんかは良く伝わってくる気がしました。素晴らしかった。

わかはさんは年齢的には実年齢相応の役柄ですが悩みを抱えるキャラクター。
強気な立場を確立している前半と若者だった悩んでいる頃の後半とで声色が違くて、声だけでも成長を表現されているのが相変わらず凄いなと思います。

結城さんはカナデとして登場してからの芯がしっかりしている感じがとても良かったです。
齋藤さんは特徴的な声色だけどそれが変に浮かずそれでいて怒鳴るときとのギャップになっていて良かった。
野口さんはめっちゃ良かったなぁ。変人ながら信念がしっかりそこにある一刻という不思議な人物。気持ち悪さもそれでいて格好良さもあって良かった。

立沢さんは本番直前に怪我をされて小道具の松葉杖はマジで使ってましたけど、元々そういうキャラクターなのではないかというくらい杖を印象的に使っていてそれが個性的な占い師というキャラにピッタリでした。
クールというか圧が強い感じを見せながら好きなゲンゴの前では甘えた感じになるのがギャップ萌え?可愛かったです。

木村さんはドール演技が素晴らしかった。リリアンであった頃というかそのときとドールになってしまったときとのギャップが良かった。

木原さんは冒頭に登場しお笑いキャラかと思いきやなかなかにシリアス要素もあって、でも本人の出で立ちからどこかふざけているという
バランスが大切なキャラクターだと思うのですがそれが絶妙で物語を壊さない凄さ、というか。
高田さんも流石でした。目や顔だけで演技するお芝居好きです。

---------------------------------------------------

自分はハマらなかったけど、でも絶対この作品が今年一番!と思うくらいハマれる人はいるはずで
もっといろんな経験を重ねたときにこの作品を観てどう思えるのか、なんかは気になるなぁと思いました。

記録としてブログに書きましたが、応援が励みになりますという役者さんたちのツイートをみてると
とてもじゃないけどSNSに載せるのははばかられる感想なのでツイートとかはしないでおきます。笑

以上です。

戦利品も載せておきます。
(隠してるのは一応アプローチカードという商品につく非売品ブロマイドだったので)