@シアターKASSAI。ここも名前は聞いていたけど、もっと大きいところだと思っていた。
でも結果的に、全編(ほぼワンシチュエーション)会話劇というこの作品にはピッタリの会場だった。
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キャスト(Wキャストだけど、コピペしたのは見た回のキャスト)
[bokura-dangi]
沖野晃司
竹石悟朗
大神拓哉
平山空
《誤キャスト》
添田翔太
大友歩
松嶋沙耶花
[guest]
加藤凛太郎(BESPOKE JAM)
齋藤彩夏(リマックス)
佐藤修幸(DMF/ENG)
田代さやか(ホリプロ)
花奈澪
福地教光(バンタムクラスステージ)
若狭勝也(KAKUTA/ノックス)
(五十音順)
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あらすじ
とある雪山。スキー場のとあるスキーロッジに、その日スキー場で起きた幾つかの事件の容疑者たちが集められた。集まった容疑者は四人の男女。
一つ目の事件発生後すぐ、地元の警察が向かい捜査に当たったが、その後次々と別の事件が相次いで起こった上に、雪の影響で容疑者・被害者・刑事たち共にスキー場に閉じ込められてしまったのだった。やむを得ずロッジで事情を聴き始めた刑事だったが、驚くことに確実に目撃証言もあり、被害者が間違いなくその人物たちを犯人だと証言している中、その四人の容疑者は口を揃えて『誤認逮捕』を主張したのであった。
「四人も同時に誤認逮捕なんて聞いたことがない。そんなことあるはずがない」そう叫ぶ刑事に、ここにいる四人ともが犯人じゃないとしたら、「全ての事件で共通の真犯人がいるかもしれない」そう容疑者たちは主張する。つまり、全員共通に主張する謎の「五人目」の存在だった。
ボクラ団義が【濃密空間】で【濃密会話劇】を送る、【三年ぶり】の番外公演シリーズ最新作!
普段確かと信じる「認識」が、どんどんとあやふやになるその空間で、容疑者・被害者・刑事が会話を重ねる。しかしそこにあった真実は、「正しい」と信じるよりももっと「誤った」何かであった。
「白い世界で目を凝らしてやっと確認出来たのは、見えるよりもずっと曖昧なものだった」ボクラ団義が送る、濃厚サスペンスコメディ会話劇!
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一言感想
・正直今まで見たボクラ作品で1番難しかった。
・被害者と加害者が実は夫婦だったりして結託して1人の人物を追い詰めようとしていた。だけど、その男も犯人ではなく、犯人は刑事のほう。
・刑事は20数年前、18年前など強姦を繰り返しており(山によく行くという冒頭の台詞がある意味伏線だった)、結託していた大田原家には18年前の強姦で生まれた娘がいて、疑われていた今田にも20数年前の強姦が原因かもしれない子がいて、だけどその子は雪山で捨てられていて(それが刑事中西の部下伊吹?)、今田と妻ひかりの間にはもう1人別の子がいて(今回、ひかりの夫と偽って現れたトモくん)
・みたいな。
・無関係そうだった4組の事件が全て関係者だったという。もっといえばロッジのオーナーも宿泊客も取り調べに来た刑事も全員。登場人物14人全てがある意味1つの事件で関係していた、みたいな。
・たぶん話を理解できても、各々が偽っていたときの描写や表情は観れば観るほど面白みが増してくるんだろうなぁ、と思うと久保田さん凄すぎるな、と。
・トモくんと伊吹が兄弟だとすると、トモくんは今田の子だけど伊吹が生まれたことで2人の関係が悪くなっていくわけだし、トモくんはそれより前に生まれていたことになるのか(って書いてて思い出したけど、俺には妻と子供がいた。って今田の台詞の子供が幼いトモくんか)
・あとわからなかったのがラスト、中西を追いかけてきた大田原が同じく追いかけてきた伊吹を撃った理由。憎き相手の部下だったからなのか、自分の孫と同じく誤妊(誤人の他の意味が誤認と五人ってのはタイトルとして弱くないかなぁ。と思ってたのでパンフでこの言葉を読んだとき目から鱗? しっくりきました)で生まれた子への憐憫なのか、大好きな先輩が自分の父親であることを知らないまま死なせてやろうと思ったのか、はたまたそのどこでもないのか。これだけが引っ掛かった。
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途中までは殺人未遂だったり、レイプだったりシリアスな容疑がかかっていても軽快なテンポで話が進んで行ったのに途中から急激にシリアスになって、とんでもなく重い展開になるんですけど、近しい当事者たちの切ない演技が素晴らしかったです。
やろうとしていることが過ちだとわかっていても、自分たちにはそうすることしかできないと言う気持ち
今まで誰にも言えなかった別れた妻の過去
間違ったことだとは気付いていながら長い間やめることができなかった過ち
カーテンコールで田代さんともう1人誰かがまだ泣き続けていたのか非常に印象的でした。
(そのあと添田さんのモノマネで場内の空気が明るくなるのですが、バッドエンドにも見えるその終わり方にそれまで客席も異様な空気感でした)
そうそう。これで7つ目のボクラ団義なのですが大体の劇団員さんの年齢を知っていたので
たぶん知っていれば知っているほど混乱する話だったかなーとは思いました。
例えば添田さんがおそらく20代中盤くらいの役で、斎藤さんが40代の役(実際は添田さんが30代で斎藤さんが20代)
親子役の平山さんと大友さんは実際は同い年。
沖野さん、大神さんあたりも実年齢より5~10歳くらい上の役。
大友さんは身長も低く童顔だと思うので18歳の少女っぽかったんですが、男性陣の年齢の違いがちょっとつかみにくかったです(それが最初から理解できていればまた違った見方が出来たのかなーと)
例えば加藤さんは実年齢より10個くらい下の役でしたが、若手刑事と劇中で言われているし明るいキャラクターなのでなんとなく若そうってのが伝わってきましたけど。
でも知らなかったら全然違和感なく入り込めていたと思います。
あられ役の花奈さんの凛としたシャンと自分の足で立っている女性らしさがとても良かったです。ナンパのあしらい方(架空のエピソードですが)とかあんなこと言われたら逆に惚れてしまいそうなw
希役の大友さんも台詞は少ないのですが、親子と分かったときの平山さん、竹石さんとの抱擁はグッときますね。平山さんは実の母親なので当然なのですが、一応自分との血の繋がりはない竹石さんのほうの抱擁は2人ともギュッと抱きしめるんですよね。それこそ母親のときより強く(見えた)。それが色々と考えさせられました。
あとは観に行ったことのある舞台の中でも1番活躍していたんじゃないかと思われる佐藤さんと斎藤さん。観にいったボクラ団義の作品でも台詞数今回1番あったほうじゃないかと。
ボクラ団義常連ゲストさんだからこそ出来る演技のようなものもあるんですかね。
若狭さんも福地さんも渋い魅力がありました。
ボクラ団義の劇団員さんとはまた違った魅力がありますね(語弊があるとアレなんですが、ボクラ団義の方(たぶん年齢の重みのようなもの。まだ皆さん若いし。ってゲストお2人も年齢より全然若く見えますけど)には出せない魅力が役に溢れていました)
そんな感じ。
とにかくシリアスだったので見てる間も辛かったし
終わってからも辛かったけど
観れて良かったです。