膝の痛みでやって来たお婆さんに優しい感情が止まらなくなった話 | 世界を股にかける腰痛治療家 Ken Yamamotoのブログ

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Ken Yamamotoは世界を股にかける腰痛治療家であり腰痛研究家でもあります。
 『世界中から腰痛をなくしたい』
この想いからKen Yamamotoオリジナル治療法『Ken Yamamotoテクニック(KYメソッド)』ひとつをひっさげ、
世界中からのオファーに応える。

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世田谷の腰痛研究所より
脚を引きずるようにやって来た婆さんは
数年前から膝が痛くて困っていたと話をする。
 
 
雨の中、犬の散歩中に片手は傘を持ち
もう片方は犬の綱を持ち歩いていたのだけど
横から出てきた他の散歩中の犬に
自分の犬が飛びかかっていき
バランスを崩した婆さんは転倒してしまい、
思えばそれがキッカケじゃないかしらねぇ
と首をかしげる。
 
 
左膝は反対に比べ浮腫みがあり
傾度屈曲位でありそして伸びなさそうだった。
 
 
膝が屈曲位ってのは
股関節が屈曲位だともいえる。
もっと言うと股関節は
屈曲し続けている場合、
骨盤は後傾しているだろ?
 
 
婆さんの骨盤は後傾しており
股関節の可動域も狭かった。
仰臥位で膝を前方から後方へ
押していくとある程度の柔軟な後に
カチッと止まるエンドポジションを感じた。
その位置で多少の痛みを感じる様子で
それ以上膝を押されるのを怖がった。
 
 
その位置は俺の拳が横1個分だった。
これがピンと伸びるとも思えなかったが
痛みは取れると思った。
痛みは必ずしも歪みからくるわけではない。
 
 
ストレートネックの人が
肩こり出ない場合もあるし
フラットバックといって腰椎の配列が
前腕も後湾も無い状態をいうが
これも腰痛の原因として有名だけど
フラットバックだからって
痛くない場合も少なくない。
 
 
О脚もそうだし側弯症だって
痛みを感じていないことだって多い。
不思議だろ?でもこれが現実だ。
 
 
側弯症と診断された場合でも
成人していて痛くないとか
生活に支障がないならば
施術する必要がないともアメリカの
医師やカイロドクターが言われている。
 
 
婆さんは歩き始めと、
寝起きが特に痛いと言った。
歩いているうちにだんだんと
痛みが分からなくなるのだが
夜は脚を摩っているそうだ。
 
 
膝立テストをしてカラダの
バランスを視ていくとハッキリと
カラダの歪みが見えてくる。
 
 
セミナーで説明している通り
呼吸が浅かったのだが、
骨盤の傾きと回旋を取ってしまうと
「あぁぁ一杯息が吸えるわ~」
と驚いた。
 
 
2分ほどその状態で昔話が始まってしまった。
戦後の暮らしに苦労した話が出てきた。
そうだな、もうこうして戦後の体験者が
刻一刻と聞けなくなっていっている。
こうした貴重な話を残しておきたいもんだ。
 
 
「婆さん、ちょっと立って歩いてみて」
「へ?もう終わりなのかい?」
「終わらないけど一回チェックしてよ」
 
 
合計で7~8分横になっていたから
歩き始めが痛いかどうかの
チェックをしたかったんだ。
「んっまぁ!痛くないんだわ」
婆さんは驚いて自分の膝をみていた。
 
 
やっぱりそうか。
膝が軽度屈曲位で固まってしまっていて
骨盤の傾きや回旋が慢性的になり、
そしてその動きで歩こう
とするから痛かったのだ。
 
 
俺はもう一度ベッドに寝かせ、
膝の可動域を増やすべく処置を行っていった。
委縮したハムに力を入れさせ、
そうこうしているうちに浮腫みがあった
膝にシワシワが出来てきた。
 
 
これは浮腫みが取れてきたことになる。
その場で関節の余分な水分が
吸収されたのかどうかは分からない。
しかし施術がうまくいくと
大抵こういった現象が起きる。
 
 
正直言うと、最後まで
婆さんの膝は伸び切らなかったし、
膝屈曲も多少改善した程度で
正座やしゃがむまで至らなかった。
 
 
でも、外を一緒に歩いたけど
終始痛みなくいつもと違う
と言って喜んでくれた。
 
 
変形性膝関節症の婆さんは
足踏みをして見せ、
俺が教えたエクササイズを
何度もやって見せてくれた。
 
 
うんうんと頷き、
大満足で納得して帰って行かれた。
婆さんの様に戦争を体験された
世代を大事にしたい。
 
 
戦後の荒廃した日本を眼下に
ショッキングな出来事の連続だったろ。
子供を育て、手が離れていき、
核家族を作り家から去っていく。
今はダンナを送り出し独居となり
膝の痛みで治療院巡りをして
先生たちに話を聞いてもらい、
また治療院や病院の待合室で
痛み自慢をしあっているのだろう。
 
 
痛いから病院や治療院を周るのではない。
寂しいんだきっと。
俺はホームヘルパーの仕事を何年も
してきたから年寄りの様数を良く知っている。
 
 
時として痛みは有難い。
だって人に話しかける
理由付けになるのだがから。
治ってしまったら
次の理由を作り出すに違いない。
 
だから言ったんだ。
「膝の痛みはこれで良くなるけど、時々
俺に会いに来てよ。もっと話を聴きたいな」
 
 
婆さんは人生の先輩であり、
今の日本を作ってくれた一人だ。
無条件で優しくしたくなる感情に
なるのは俺だけじゃないはずだ。
 
 
動画撮らせてとお願いしたけど、
それだけはイヤだと言われ続けた。
この世代はこんな感じの方が多いよね。
動画撮っても魂は吸い取らないのにね。
 
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