マニラより
昔々KYTの手技は『痛い』という時代があったが、
それはもう過去のものになっていっている。
もちろん手技により固まったものを動かす時
痛みを感じるのはこの限りではないのだが
痛みを感じる治療は患者さん自身の防御反応を
産みだし結果成果を出せないで
終わってしまうこともあるに違いない。
そう思い技を研究し続けてきた。
今回紹介する腰痛患者さんはチョットした動きですら
痛みを感じる程酷い患者さんだったから
特に力で押え付けるような手技には不向きだった。
最初は順調に歩くのだが、
徐々に歩行するときガクンガクンと
片側の腸骨が落ちてきて痛みとなっていく
そして仰臥位での検査では
どこを動かしても痛いと騒ぎまくる。
こういう患者さんはどこ迄なら自分で
動いても痛くないか確認してもらい
そこから一旦中間位に戻し、
それ以上は関節を動かさないから安心して
と言って、動かしていくの繰り返しで、
最終的には腰部の痛みによる関節稼働域の狭さは
健康な人と何ら変わらない状態にまでもっていくことができた。
この状態で雨の中、外を5分ほど歩かせ
腰痛研究所へ戻って来させ痛みを再評価して行った。
ベッドの上で痛みがなくても立位にて
体重がしっかりかかり各関節に掛かるようにして
痛みが戻って来なければそれで良い。
若干の残る違和感は関節可動域が広がり、
違和感を感じている状態って場合もあるから、
症状を追っかけての施術をすることはしない。
あくまでも主訴が消えればあとは
副産物は様子を見てもらうのが普通だ。
主役の痛みが消えると脇役が
途端に主役に躍り出てくるもんだろ?
自分に二人の気になる女の子がいたとして、
一人が選択肢から漏れると、
当然主演女優は一人になりフォーカスされだす。
ネコまっしぐらモンプチ状態。
痛みは2箇所以上同時に感じられない
と言われているからもしも痛い箇所が
3箇所あり主役がいなくなったらもう1箇所が出現し、
痛い箇所が2箇所になるかも知れないが、
多くの場合は局所治療をした訳でなく
全体をよくした結果で1番の主訴が消えたのならば
2番目も3番目も自然と良くなることが多いことが分かっている。
ところで今回の俺の訪日は
東京のとある場所で俺の研究発表があったんだ。
この日のために帰国したようなもんなんだけど、
とにかく今は無事に済んで良かった。
毎日少しづつ研究をしてきた訳だが、
有資格者によって構成された俺の発表は無事に終わり
そして彼らに深い納得と感嘆が漏れでたとき、
毎日の学びの成果が出たと安堵で満たされた。
研究をするのは楽しくも発表の場がないと
ダラケてしまう訳で、俺にとってはこういった
発表の機会がいい区切りになってとても良い。
手も足もカジカムほど寒い日本からマニラにやって来た。
ここでも俺には患者さんがいて、
俺にとっては暖かい季候と仕事があって
幸せを感じられる場所となっている。