【仙腸関節の秘密】
仙腸関節の衝撃的な話をしなければいけない。
今回の話は書くのをためらう程の内容だった。
でも、メディカルがなぜ頑なに仙腸関節が動くわけない
と言っているのか少し分かってしまったんだ。
【ハワイ州立大学医学部人体解剖実習レポート】
衝撃が走った。仙腸関節の話だ。
俺は今回の人体解剖学実習室のホストでもあり
大学側つまりメディカルの立場と臨床家の
中立な立場で話を聞かなければいけなかったが
臨床家としてプルプルせざる負えなかった。
カイロプラクティック出身の先生たちは
特にそんな気持ちだったはずだ。
仙腸関節が～～～！！
俺はこの話を聞いた瞬間、
膝が砕けた様にひざまずいてしまった。
マジすか？嘘でしょ？？
嘘と言っておくれ！！
って気持ちで一杯になって立てなくなっちゃったよ。
大殿筋はカラダの代表的な筋肉であり
治療家でなくても知っているヒトが多い筋肉だ。
治療家ならば当然どこにあって
どんな働きをするのか知っていると思う。
大殿筋は参考書によっても異なるが
仙腸靱帯（腸骨上）を起始と書いているモノや
仙腸関節を跨いで仙骨の外縁に付着するとか様々だった。
今回観た御検体は3体。
完全にぶったまげたのは仙腸関節を跨ぐ何てもんじゃない
正中仙骨綾にまで達していたんだ。大殿筋が。
仙骨綾（つまりど真ん中）まで筋繊維があり
腱は僅かだった。
隣のテーブルの御検体を見に行った。
やはり仙骨綾まで付いていた。
そしてかなり分厚かった。
お婆ちゃんの御検体で第3仙骨辺りでも骨から
表面まで1センチ位の厚みがあり、
仙骨の2番1番に行くにつれて厚さは増していった。
86歳のお婆ちゃんの腰仙関節辺りの厚みは3センチ
ほどになっていてプラス脂肪組織と皮膚を乗せると
さらにその厚みがすごいことが分かるだろう。
隣の男性の第3仙骨のあたりは3センチあり
腰仙関節あたりは皮膚を乗せたときは
5センチをゆうに越えるくらい奥まっていた。
一体俺たちが臨床で触っていた。
いや触っているつもりになっていたのは何だったのか？
仙骨まで辿り着いていないことが分かってしまったのだ。
我々はそれぞれがそれぞれの治療分野で
プロとして日本で活躍してきた精鋭のはずだった。
しかし、その自信は大きく揺らいでしまった。
俺たちは仙骨を押せるのか？
相当な力で押さなければ相当にボヤけてしまうな。
事実を知らないまま施術していたことを知り愕然とする受講生30名。
次に大学の助教が言った言葉を聞いて俺は膝から崩れた。
「男性の仙腸関節は50歳を過ぎると半分以上の仙腸関節
に骨棘ができている。しかし女性はこの確率が少ない」
何らかの原因で骨棘出てくる。
そして骨曲が出れば場合によっては痛い。
多くの場合はカルシウムが沈着して骨状になり
尖っていて痛みを出すことも少なくない。
それはともかくとして次に聞いた言葉が問題だった。
「仙腸関節は60歳以上のほとんどの男性は癒合が
みられるという記事がアメリカで発表されている」
癒合とはくっついて離れないという意味になる。
俺たちはショックで言葉を失った。
反論も出来ないほどに完膚なきまでに叩きのめされた気分だった。
それでも、それでも成果が出せる俺達って素敵じゃないか！
なんて誰も言える気分ではなかった。
矯正出身の先生や仙骨をメインとする治療をする先生。
その他にも鍼灸師の先生達もこの深みのある仙腸関節
の現実と先生の発した話に無言になってしまった。
特に仙腸関節の重要性を強調してきた先生方は頭を抱えていた。
仙骨をソフトに優しく触れて動かす治療法
ってもしかしたら仙骨に届いていない？のでは。
仙腸関節の矯正音が聞こえているあの音は
関節音じゃなかったのか？
それでは何故成果が出るんだ？
骨でなく筋組織に対して、いや筋膜に辿り着くまでに
ヒトによって数センチある場合もある。
つまりソフトに動かしたり押したりしているのに
カラダが良くなっていくということは筋肉までの
膠原繊維が何か重要な気がしてきた。
とか、
カイロプラクティックの場合ならばカラダを捻り
遊びを取ったところで矯正を加えるから
やはり背骨に直接届いているに違いない。
とか、皆んなの反応はそれぞれだった。
俺達は重要な岐路に立たされていた。
聞いたことに耳を塞いで今まで通りの
施術を続けていくか、次の何かを産み出すか。
事実を知ってどう進むのか
これからの本人達の行動がためされることとなった。
コレが事実だとしても尚、
目を閉じてスルーする方法もあるし、
事実を知って何かを変えるというふうに進みもがくか
ソレは総てが自由なんだ。
こんな事実知っていること自体マイノリティーなんだから。
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